SBI大学院大学
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シラバス参照
講義名
通年/グローバル組織変革演習(重田)23春開講
基準単位数
0
科目区分
演習(発展)
必修・選択
必修
配当年次
1・2年次
学習期間
学習期間2学期/履修証明プログラム修了要件20時間分に該当
担当教員
職種
氏名
教授
◎ 重田 孝夫
オフィスアワー
eラーニングサイトおよびメールでの質疑応答を受け付けています。
面会・電話での相談を希望する場合は、事前に希望日時をご連絡ください。
授業の概要
環境が変化すれば、戦略の変更が求められ、戦略が変われば、組織もそれに対応して変化しなければなりません。そもそも組織が現状で問題を抱えているのであれば、問題を解決する必要があるでしょう。また、グローバルビジネスの発展につれて、組織や人材マネジメントのあり方を見直すことも欠かせません。
変革が求められる対象は様々です。
・生産や販売拠点の再編
・クロスボーダーM&Aの展開
・進出先を含めたグローバル人材の育成
・イノベーションを促進する業績評価や人事制度の本社と子会社への導入
といった課題に直面している会社は少なくありません。
組織変革を成し遂げるには、変革テーマ、組織、人材に応じて、効果的なアプローチを選び、組み合わせ、応用することが重要です。本講座では、組織変革に関わる理論やアプローチを学び、適切な手法の適用を考察、自らの所属先でのグローバルビジネスに関する変革案を作成していただきます。
変革のテーマは、みなさんが重要と考える、みなさんが所属する組織での課題を受けて、みなさん自身が選びます。そして、本演習では、組織変革に関する理論やアプローチを踏まえ、そのアウトプットとして、変革プランを立案。数人のグループで内容をブラッシュアップのうえ、各自が演習発表会で発表します。そこでのフィードバックを反映して、さらに磨きをかけ、社内でのプレゼンテーションにつなげ、承認を得て、実際に展開してもらうことが目的です。
学習目標
本講座の学習目標は次の通りです。
組織変革の課題に取り組み、変革によって成果を上げるために効果的な組織開発とチェンジ・マネジメントに関する理論とアプローチを授業や参考書を通して理解し、それをベースに:
1)変革テーマを特定する
自分の属する組織での実践を前提とした的確な変革テーマを選定する。
組織変革は、一人ではなく、組織の人たちを巻き込んで行うことになります。自分が関与して、組織にインパクトのある大きな成果をもたらすことのできるデーマを選びましょう。5年後、10年後に、「あの時の変革によって、今日の礎が築かれた」と言ってもらえるようなものにしたいものです。みなさんの履歴書にみなさん自身の実績として記載するのに値するものが望まれます。
2)取り組み計画を作成する
テーマに効果的に取り組むためには、どんなアプローチが有効なのかを学び、考え、必要によって複数のアプローチを組み合わせて、変革を実現するための計画案を作成します。所属組織での計画実行に向けて、必要なデータ収集や事前調査、変革チームの設立等の準備を行います。現状をデータ等のファクトできちんと捉えることが欠かせません。エビデンスとなるファクトは、変革のプログラムを立案するベースとなるだけでなく、変革への認識を共有するのに役立ちます。
変革を推進するチームを立ち上げるのであれば、実際にだれをメンバーにするとよいか考えましょう。
3)実行計画を練り上げる
他の受講生とのグループでの討議などを通して、組織変革への理解を深め、計画案をブラッシュアップする。
座学で学んだだけで、よい計画案が作成できるものではありません。組織変革の理論やアプローチを踏まえた計画案を作成しても、理論から外れていたり、実際に応用する際に対応が困難なことが予想されたりすることが少なくありません。他者の視点からのチェックを受けて、よりよい計画を練り上げましょう。
4)変革プランを発表する
演習発表会で自らの変革プランを発表する。
変革プランの構成項目は、変革テーマとアプローチを考慮して、事前に講師と協議して決定します。目標は具体的で測定可能なものとし、効果測定にも活用できるものであることが大切です。実行計画も詳細な項目に落とし込んで、マイルストーンはガントチャート等で示し、進捗チェックできるものとします。
なお、授業は演習発表までとなりますが、みなさんの目的は変革プランに沿って、計画を実際に展開し、成果を上げることです。
授業計画
この演習科目は、期間1年間(2学期)で2単位の授業です。
授業は、通常のビデオによる授業と対面授業が混在しています。第6章と第10章、第15章が対面授業です。
対面授業の日程は、第2章終了までに、みなさんと調整のうえ、決定します。
第1章
・授業の概要と組織変革の概説
第2章
・組織開発とは:組織開発とは何かを理解し、その代表的なアプローチを考察する
第3章
・学習する組織:システム思考を理解し、組織的な変革を図る手法を学ぶ
第4章
・変革の推進:変革を推進する際に直面しやすい障壁を整理し、その対応方法を考える
第5章
・ブルーオーシャン戦略にみる変革:価値、利益、人材についての整合性の確保を学ぶ
<小課題1:グローバルビジネスに関する所属先の現状の問題点と課題>
第6章(対面授業)
・変革テーマ案の討議
第7章
・組織課題の整理:所属する組織の諸課題を整理、分析する
第8章
・プレゼンテーション:企画案やプロジェクトの発表をパワーポイントを使って行う留意点を学ぶ
第9章
・組織変革案のプレゼンテーションのケーススタディー
第10章(対面授業)
・変革プランの原案の発表、討議、検討
第11章
・目標設定:目的を受けた具体的な目標の設定方法を学ぶ
<小課題2:自らの変革プランの目的と目標、優先課題>
第12章
・実行計画:実行性と実効性の高い計画の作成方法について理解する
第13章・第14章(ビデオ授業なし、受講生間での相互チェック)
・変革プラン(発表資料)の作成
第15章(対面授業)
・発表案のチェック
演習発表会
・日程は、事務局からの連絡で確認すること。
まず、第6章までで、授業を視聴したり、参考書を読んで、、変革テーマ案を選びましょう。日常の課題認識だけでなく、体系的に課題を整理、分析する力を高めることが問われます。
次に、第7章で、きちんと組織課題を整理、把握したうえで、第8章でプレゼンテーション資料作成の留意点、第9章で組織変革案のプレゼンテーションの事例に学び、自らの変革案のたたき台を作成したうえで、第10章の対面授業で、検討・討議します。
第11章と第12章は、具体的な目標と優先課題の設定方法と取組みへの展開の解説です。
目標は、具体的で測定可能な目標として、組織変革が上手く遂行されたかどうかの効果測定にも活用することが重要です。結果目標だけでなく、取り組みの優先課題も特定します。
実行計画は、マイルストーンを設定し、さらに進捗チェックができるものにすることが欠かせません。留意点を学び、取組計画に反映してください。
第13章と第14章は個人で変革プランを作成、受講生間でブラッシュアップを行い、第15章の対面授業で、さらに検討チェックします。第15章に対面授業でのフィードバックを受けて、必要に応じて修正し、演習発表会で、自らの組織変革プランを発表します。
3つの対面授業への参加が不可欠です。組織課題を整理して的確な組織変革テーマを選び、適切なアプローチ案を決定し、目標と優先課題を特定、実行計画を明らかにした取組計画案をプレゼンテーション資料にまとめて、発表していただきます。対面授業ならびに演習発表会の期日の延長はできません。しっかりとスケジュール管理してください。
成績評価基準
成績評価基準は、成果分野別の課題整理:30%、討議:20%、提案と発表の出来:50%です。
演習発表のプレゼンテーションの出来栄えは、テーマに合ったアプローチを受けて、取組計画がしっかりした構成と内容になっているか、プレゼンテーション資料はきちんとまとめられたか、それを利用したプレゼンテーションは上手く行われたか等で評価します。授業のための組織変革プランの作成ではなく、現場の実態に応じた変革案を立案し、実際に所属組織で提案のプレゼンテーションを行うことが求められます。
必読書籍
本講座には指定の教科書はありません。
参考書籍
‐ ジョン・コッター著『リーダーシップ論』第2版 ダイヤモンド社 2012年
ハーバード・ビジネス・レビュー誌に掲載されたJohn P Kotterハーバード・ビジネス・スクール名誉教授のチェンジ・マネジメントやリーダーシップに関する論文を収録し、新たなコンテンツを加えた改定新訳版。
- ジョン・P・コッター、バネッサ・アクタル著『CHANGE 組織はなぜ変われないのか』ダイヤモンド社 2022年
‐ ピーター・センゲ著『学習する組織―システム思考で未来を創造する』英治出版 2011年
変化への対応に不可欠な組織の学習能力をどう高めるかを解説したベストセラー。不確実性が高く、変化の激しい時代には、多様な関係者が真の対話を重ね、複雑な現実をシステム思考で捉え、未来のビジョンを共有することで、自ら変革、創造し続ける組織が求められる。
‐ デビッド・ティース 著『ダイナミック・ケイパビリティ戦略』ダイヤモンド社2013年
変化に対応して、持続可能な競争優位を保持、強化するために必要な「ダイナミック・ケイパビリティ」をどう獲得、発展するかについて解説した本。
スケジュール管理
演習発表は、前もって日程を確認のうえ、十分なスケジュール調整を行い、参加してください。
大規模な自然災害の発生などで急遽日程を変更せざるを得ない場合を除き、延期や再開催はありません。
次に優先度が高いのは、対面授業です。対面授業といっても、私からの講義ではなく、みなさんが行った課題に関しての内容のチェックと話し合いです。日程はみなさんと調整します。決定されたスケジュールは順守してください。
留意事項
・年間で2単位となるため、授業動画の配信時期が他の授業と異なります。
対面授業
対面授業を適宜実施します。詳細は担当教員にご確認ください。