シラバス参照

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講義名 通年/組織変革演習(宮迫)25秋開講 ※変更の可能性があります。
基準単位数 4
科目区分 演習(発展)
必修・選択 必修
配当年次 2年次
学修期間 学修期間2学期

担当教員
氏名
◎ 宮迫 純

オフィスアワー eラーニングサイトおよびメールでの質疑応答を受け付けています。
面会・電話での相談を希望する場合は、事前に希望日時をご連絡ください。
授業の概要 組織が長期的に成功を収めるためには、変化が不可欠です。環境が変化すれば戦略の見直しが求められ、戦略が変われば組織もそれに適応しなければなりません。そもそも現状に課題がある場合は、それを解決する必要があるでしょう。また、企業が成長するにつれて、組織のあり方やマネジメント手法の再検討も欠かせません。

変革の要因や目的は多岐にわたります。たとえば、以下のような課題に直面する組織は少なくありません。
• イノベーションを促進するための組織構造の改編や意思決定プロセスの変更
• 多様な人材が活躍できるよう、新たな働き方の導入や職場文化の刷新
• 個人の主体性やチームワークを向上させるための人事評価や報酬制度の見直し
• 後継者の計画的・効果的な育成を目的としたリーダーシップの再定義

組織変革を成功させるには、変革のテーマ、組織の特性、人員の状況に応じて、最適なアプローチを選び、それらを組み合わせて活用することが重要です。

本授業では、受講生自身が所属する組織の現状を踏まえ、必要と考える変革のテーマを設定します。そして、授業を通じて具体的で実行可能な変革プランを立案し、中間発表会で発表します。

講義の後半では、実際に変革プランに着手し、実行後の結果を検証します。試行錯誤を通じて、変革の成功に向けた対応策を講じることで、組織変革を推進する実践力を養います。

最終発表では、取り組んだ変革の成果を確認し、今後の展開につなげます。

本講座は、理論やアプローチを学ぶとともに、現場でのフィールドワークを通じて実践力を高める演習科目です。
学修目標 組織変革のテーマは多岐にわたりますが、本授業の共通する学修目標は以下の通りです。

組織の課題に取り組み、変革によって成果を上げるために、効果的な組織開発およびチェンジ・マネジメントの理論とアプローチを理解し、それを基に以下を実践します。

1)変革テーマの特定
自身が所属する組織において、実践を前提とした適切な変革テーマを選定します。
組織変革は個人ではなく、組織のメンバーを巻き込みながら進めるものです。自身が積極的に関与し、組織に大きなインパクトを与えるテーマを設定しましょう。5年後、10年後に「あの時の変革が、今日の礎を築いた」と言われるような変革を目指します。
また、自身の履歴書に実績として記載できるような意義のある取り組みが求められます。

2)取り組み計画の作成
選定したテーマに対して、どのようなアプローチが有効かを学び、検討します。必要に応じて複数のアプローチを組み合わせ、変革を実現するための計画案(素案)を作成します。
作成した計画案は、半期終了時の中間発表会でプレゼンテーションします。

3)実行計画のブラッシュアップ
一度の学習で完璧な計画を作成することは困難です。中間発表でのフィードバックや他の受講生との討議を通じて、組織変革に対する理解を深め、計画案をより精緻なものにします。

組織変革の理論やアプローチを学んでも、計画が理論から逸脱していたり、実際の応用が難しい場合があります。他者の視点を取り入れ、より実現可能な計画に仕上げましょう。

計画の実行に向けて、必要なデータ収集、事前調査、変革チームの設立などの準備を行います。現状をデータに基づいて正しく把握することは不可欠です。エビデンスとなるデータは、変革プログラムの基盤となるだけでなく、組織内での認識共有にも役立ちます。

また、変革を推進するチームを立ち上げる場合は、その進め方を検討し、実際に組織内でチームを形成します。計画の策定には、チームメンバーの意見を積極的に取り入れることが重要です。

4)変革プランの途中成果の発表
変革プランを実行し、最終発表会までに生み出した成果や、実践した優れた行動を発表します。

変革プランの構成項目は、テーマとアプローチを考慮し、事前に講師と協議して決定します。目標は具体的かつ測定可能なものとし、効果測定に活用します。また、実行計画は詳細な項目に分解し、マイルストーンをガントチャート等で示し、進捗を確認できる形にします。

プレゼンテーション資料が成果物となります。

5)変革プランの現場展開
現場で計画を実行し、変革プランの目標達成に向けて主体的に行動し、今後のキャリアに必要なコンピテンシーを伸ばします。

なお、本授業は最終発表までとなりますが、受講生の最終的な目的は、授業終了後も変革プランに沿って実践を続け、実際の成果を上げることです。
授業計画 本演習科目は1年間(2学期)を通じて4単位を取得する授業です。授業は Stage 1(前期) と Stage 2(後期) の2つのステージで構成されます。

• 秋学期開始の場合:秋学期がStage 1、翌年の春学期がStage 2
• 春学期開始の場合:春学期がStage 1、続く秋学期がStage 2

Stage 1は 中間発表会まで、Stage 2は 最終報告会まで の期間となります。

<Stage 1>
Stage 1では、ビデオ講義・個人レビュー・対面授業 を組み合わせて学習を進めます。対面授業は 第5章・第10章・第15章 に実施し、日程は 第2章終了時までに調整・連絡 します。個人レビューは、各章1回を基本ペースとします。

授業スケジュール
第1章(ビデオ講義)
• 授業の概要と組織変革の概説
第2章〜第4章(個人レビュー)
• 変革したい組織の課題(What)と、その必要性(Why)の分析
第5章(対面授業)
• 変革テーマ案の発表とコメント
第6章〜第9章(個人レビュー)
• 組織の現状や類似事例をもとに、変革プラン(How)を検討
第10章(対面授業)
• 変革プランに基づいたアプローチ案の発表とコメント
第11章〜第14章(個人レビュー)
• 予算・チームメンバー・優先目標を含む実行計画(When)の策定
第15章(対面授業)
• 実行計画案の発表とコメント
中間発表会
• 日程は事務局からの連絡で確認
• 成果物:
  1. 組織課題を整理したリスト
  2. 中間発表用のプレゼンテーション資料

*留意点
• 実行計画は マイルストーンを明確に設定し、進捗を管理できる形 にする。
• 第15章の対面授業で事前チェックを実施 し、必要に応じて計画案を見直すこと。
• 中間発表では、
  o 組織課題を整理し、適切な変革テーマを設定
  o アプローチ案を決定
  o 目標と優先課題を特定し、実行計画を策定
  o プレゼンテーション資料にまとめて発表 する。
• 期日の延長は不可。スケジュールを厳守すること。

<Stage 2>
Stage 2では、実行計画の実践・レビュー・最終報告会 を行います。授業ビデオはなく、データ収集・分析、事前調査、変革チームの立ち上げ などの フィールドワークとレビューが中心 です。その成果を 最終報告会で発表し、審査 を受けます。

個人レビュー
• 計画に応じて、各章1回のペースを基本 に実施。
• Stage 1の対面授業とスケジュールが合えば、対面でのレビューも可能。
 o その場合、Stage 1の受講生へのアドバイスにもご協力ください。

最終報告会
• 日程は事務局の連絡を確認 してください。

*留意点
• 一般的な講義とは異なり、期末テストやレポートの成績のみで単位を取得することはできません。
• 実行計画に沿って実践し、講師とのレビューを受けることが必須 です。
受講上の留意点 中間発表が済んだあと、翌学期の開始を待たずに、変革プランに着手することになります。
成績評価基準 ・中間発表のプレゼンテーション:40%
・現場での着手・実践のレビュー:20%
・最終報告:40%

中間発表のプレゼンテーションの出来栄えは、テーマに合ったアプローチを受けて、取組計画がしっかりした構成と内容になっているか、プレゼンテーション資料はきちんとまとめられたか、それを利用したプレゼンテーションは上手く行われたか等で評価します。

現場での着手・実践のレビューの評価は、レビューを受けていただくことが不可欠です。レビューで、実行計画に添って準備作業が進められたか、不測の事態に的確に対応できたかを確認し、評価します。レビューでは、とるべき対策についても話し合います。

よい計画ができ、それに沿ってしっかりと準備作業に着手できれば、最終報告の内容の出来もよくなるはずです。

最終報告会での評価項目は、中間発表後に講師と協議のうえ、決定します。最終報告会での発表は、評価項目に添って審査されます。作成いただくプレゼンテーション資料は、現場での実践を踏まえた成果物となります。

単に組織変革の提案書を作成するのではなく、現場の実態に応じたプランを作成し、実行しますので、最終報告はその段階までのいわゆるフィールド・ワークの報告です。授業の成績評価もペーパーとしての提案書の出来だけでなく、実行計画に添ってきちんと取組みを展開できたが評価されます。

期末に組織変革プランを作成し、発表するだけでは、単位は取れません!
必読書籍 指定の教科書はありません。
参考書籍 変革テーマや状況に応じて、参考となる書籍や文献を推薦することがあります。
その他 ※本シラバスは開講前に変更になる可能性があります。ご留意ください。
当ゼミの特色 事前の履修は必須ではありませんが、組織行動学(宮迫)で紹介した概念や理論との継続性があります。

特に変革プランの作成にはEvidence-based Managementのアプローチを重視します。具体的には変革の背景となっている問題や変革後の効果の数値化や類似の事例の分析などをプランに反映させることです。

また、チェンジ・マネジメントの一環として影響・説得力の講義で紹介された概念を積極的に取り入れてもらいます。
スケジュール管理 中間発表と最終報告について:
中間発表および最終報告の日程は、事前に確認し、十分なスケジュール調整を行ったうえで、必ず予定通りに参加してください。大規模な自然災害など、やむを得ない事情により急遽日程を変更せざるを得ない場合を除き、延期や再開催は行いません。成績評価の観点からも、中間発表と最終報告を行わなければ単位取得はできません。これらの発表は最優先事項として位置づけ、適切にスケジュール管理を行ってください。

対面授業と個人レビューについて:
中間発表・最終報告に次いで優先度が高いのが、対面授業と個人レビューです。
対面授業の日程については、受講生全員と調整を行い、第2章終了までに曜日や時間を決定し、連絡します。対面授業は、講師による講義ではなく、受講生が取り組んだ課題の内容確認とディスカッションが中心となります。出席しないと授業自体が成り立たないため、必ず出席してください。
個人レビューについては、個別に日程を調整します。基本的にはオンラインでのミーティングとなりますが、都合が合えばキャンパスでの対面実施も可能です。日程変更が必要な場合は、最低2日前までに連絡してください。変更が必要になった場合は、速やかに別の日程を調整しましょう。前日や当日に急な変更が必要となった場合、可能な範囲で対応しますが、状況によってはキャンセルとなることもあります。

タイム・マネジメントの重要性:
対面授業で使用する資料作成やその他の準備作業も、各自のタイム・マネジメントに大きく依存します。あらかじめ素案を作成しておけば、疑問点が生じた際に質問し、回答を得たうえで修正することが可能です。しかし、直前に作業を始めた場合、そのような時間は確保できません。

本業や他の授業の学習など、複数のタスクを並行して進めなければならない環境の中で、適切なスケジュール管理を行い、タイム・マネジメント能力を磨きましょう。
留意事項 ・年間で4単位となるため、【春・秋】もしくは【秋・春】の履修登録の際には、それぞれ2単位(1科目)として扱います。
・組織開発あるいは変革、新制度導入等のテーマは、受講生自らが実践できるものを選びます。
・テーマの内容によって取り組み期間が中長期に及ぶケースでも、計画準備は受講期間中に実際に行うこととします。
・授業後半は、計画案のブラッシュアップと実行に向けた現場での作業を講師の指導の下で行い、最終報告会で発表していただきます。
事前学修・発展学修 事前学修:
• 変革テーマがすでに決まっている場合 は、類似の事例をリサーチ してください。
• 「組織行動学(宮迫)」を履修していない受講生 は、Evidence-Based Management を紹介するビデオ講義(約30分)を視聴することを推奨 します。

発展学修:
• Stage 2 では、実際に組織変革に取り組みますが、授業後も継続的に変革プランを推進する必要があります。
• 成果を上げ、変革を成し遂げるために、自ら主体的に行動し、キャリア開発につながるコンピテンシーを高めましょう。
対面授業
対面授業を適宜実施します。詳細は担当教員にご確認ください。