SBI大学院大学
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シラバス参照
講義名
24秋 前期/地政学:激動する世界を読み解く
基準単位数
1
科目区分
グローバル・ビジネス(コア)
必修・選択
選択
配当年次
1・2年次
学修期間
学修期間1/2学期
担当教員
氏名
◎ 蟹瀬 誠一
オフィスアワー
eラーニングサイトおよびメールでの質疑応答を受け付けています。
(メールアドレスは大学院グループウェアのアドレス帳でご確認ください)
授業の概要
世界は多くのリスクを抱えながら21世紀の歩みを続けている。ビジネス界もマネーだけでなくパワーの世界、いわゆる地政学ならびに経済を武器に使う地経学リスクを理解しなければ生き残れない「野蛮の時代」に突入した。
とりわけ、コロナ禍で始まったウクライナ戦争は世界秩序を揺るがす戦後最大の歴史的大惨事だ。地域紛争が本物の戦争に拡大し、その結末に拘わらず世界の経済から企業経営にまで深刻な影響を与えている。対立が深まる米中関係やテクノロジーの急成長もビジネスに大きな影を落としている。
本講では国際秩序が崩壊した国際情勢の先行きを展望するとともに、「VUCA」と呼ばれる予測不能な状況に企業経営者はどう立ち向かえばよいかも考える。
学修目標
国際情勢や歴史を考究することで、グローバル・ビジネスの現場で正しい意志決定や行動を起こすための源泉である実践的インテリジェンス(価値観、倫理観を含む知能や知恵)を身につけることができる。
世の中に溢れるさまざまな情報を適切に解釈・分析・評価できる情報リテラシーを高めることができる。
授業計画(各章)
第1回
タイトル
第1章
内容
イントロダクション
Gゼロ時代の潮流を読み解く
ソ連崩壊で冷戦が終結した後しばらく国際協調によって人々は豊かになれるという機運が高まった。しかしグローバリズムは幻想に終わり世界中に不平等が広がり、今や世界は国際秩序を守る大国不在の対立の時代に逆戻りしている。そんなGゼロ時代のビジネスリスクと経営課題を地政学の観点から考える。
第2回
タイトル
第2章
内容
パラダイムシフト~テクノロジーがもたらす新たな社会
現代の世界はこれまでの価値観、規範、常識を根底から覆すパラダイムシフトの真っ只中にある。政治経済や社会が変容しているだけでなく、企業や人々の生き方にも大きな影響を与えている。そんな時代を生き抜くために、不可欠な「インテリジェンス」とは何か、そして新たな産業革命にも匹敵するデジタルテクノロジーにどう対処すべきかについて考察する。
第3回
タイトル
第3章
内容
イスラエルのイノベーション爆発
「知立国家」と呼ばれるイスラエル発の企業が世界を席巻している。名だたるグローバル企業がイスラエルに研究開発拠点を構える動きも顕著だ。現地のスタートアップ企業などの取材に基づいて多国籍企業が集積する「中東のシリコンバレー」の秘密を探る。
第4回
タイトル
第4章
内容
世界一の生活大国デンマークから学ぶ社会システムデザイン
北欧の小国がなぜグローバル市場を勝ち取り、イノベーションで世界をリードし、競争力1位の生活大国になれたのか。現地での取材経験も交えてデンマークの政治・経済・社会と経営思想を紐解き、超高齢社会日本が存続するためのシステムデザインを考える。
第5回
タイトル
第5章
内容
あり得ない決断
一流の経営者の中には「決断こそ経営者の仕事である」と明言する人が少なくない。経営者の意志決定が企業の先行きを大きく左右するからだ。米経済誌『FORTUNE』が厳選した史上最高の経営判断18の物語を道案内に、経営者のどんな「あり得ない決断」が成功をもたらしたのかを具体的に分析する。
第6回
タイトル
第6章
内容
価値創造~挑戦とガバナンスの両立
経営者にとっては非常に難しい課題であるガバナンスと挑戦の両立を、ANAホールデング代表取締役会長兼取締役会議長の片野坂真哉氏の取り組みを中心に分析し、コーポレートガバナンスのあるべき姿を探る。
片野坂氏は人員も飛行機も足りない中、世界的な不況やアジア危機、コロナ禍を乗り越えてANAの国際化を推進した立役者である。
第7回
タイトル
第7章
内容
ふりむけば、未来~歴史を読む、明日を読む
西洋史学者で洒落なヨーロッパ的教養人と知られた故木村尚三郎氏の現代文明論や歴史観から不易流行を学び、「クラシック」の精神を知る。クラシックとは元来「クラスでいちばん上等なもの」という意味だ。人々が学び、それを肥しとして明日に生かす普遍的価値を見いだせるよう視座を高める。
受講上の留意点
大学の既定のスケジュール通りに遅延なく受講してください。
成績評価基準
各章の小テスト45%
期末レポート40%
出席率 15%
必読書籍
なし
参考書籍
『2023年野蛮の時代―米中激突第2幕後の世界―』蟹瀬誠一他編著、創成社
『LIFE3.0─人工知能時代に人間であるということ』マックス・テグマーク著、紀伊国屋書店
『ドナルド・トランプ世界最強のダークサイドスキル』蟹瀬誠一著、プレジデント社
『国際秩序』ヘンリー・キッシンジャー著、日本経済新聞出版
『アメリカ史のサイクルI&II』A.M.シュレジンジャー著、パーソナルメディア
『対立の世紀:グローバリズムの破綻』イアン・ブレマー著、日本経済新聞出版社
『地経学とは何か』船橋洋一著、文春新書
『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』遠藤誉著、PHP研究所
『パラダイムシフトを生きる: 不確実の世を乗り越える視座』岩本敏夫著、金融財政事情研究会
『ふりかえれば、未来―歴史を読む明日を読む』木村尚三郎著、PHP研究所
その他
特になし
事前学修・発展学修
事前学修:
各章のテーマに関連する内容のニュースや文献をできるだけ多くしらべ、講義内容を深堀できるようにしておいくこと。
発展学修:
講義の内容ならびに小テストで個別に指摘された部分を振り返り、関心分野について自主的に探究すること。
対面授業
対面授業を実施します。受講申込の際は「対面授業スケジュール」にて日程をご確認ください。