シラバス参照

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講義名 24秋 前期/生成AIを使いこなすためのAI概論
基準単位数 1
科目区分 経営数理・問題解決(応用)
必修・選択 選択
配当年次 1・2年次
学修期間 学修期間1/2学期

担当教員
氏名
◎ 佐藤 市雄
副島 豊
飛田 陽平

オフィスアワー eラーニングサイトおよびメールでの質疑応答を受け付けています。
(メールアドレスは大学院グループウェアのアドレス帳でご確認ください)
授業の概要 生成AI(Artificial Intelligence)を使いこなすためのAI概論は、社会人向けMBAプログラムの一環として、人工知能(AI)の基本的な概念と生成AIの特徴、原理、応用などについて学びます。この授業では、学生が現代のAI技術の背後にある原則や理論を理解し、生成AIの機能、可能性、制約、倫理的な問題などについて深く考察する能力を身につけることを目指します。
学修目標 本講義を通じて、以下の実現を目指します。
1) 人工知能(AI)の基本的な概念や歴史、現状、将来性について理解している
2) 生成AIの特徴や原理、種類、応用例などについて知識踏まえたAIの活用ができる
3) 生成AIの品質や安全性、倫理性などの課題を把握し、対策を考え出すことができる
4) 生成AIを技術やツールを使いこなし、実践的に活用できる
5) 生成AIを自分の関心や専門分野に応用し、既存のビジネスプロセスを改善できる
授業計画(各章)
第1回
タイトル
第1章 AIの歴史
内容
本講義のガイダンスと講師紹介
1. コンピュータの発展と2度のAIブーム
2. 第3次AIブームと活用事例
3. 第4次AIブームの到来
第2回
タイトル
第2章 大規模言語モデルLLMの発展
内容
1. 大規模言語モデル(LLM)とは何か
2. 基礎となるニューラルネットの仕組み
3. 言葉の数値化、word2vecのベクトル化技術
第3回
タイトル
第3章 LLM主要モデルの発展と重要な新発見
内容
1. 文章は単語の時系列 RNN:Recurrent Neural Network
2. 長期記憶と短期記憶 LSTM:Long Short-Term Memory
3. LLMの爆発的進化 Transformer、Attention機構
4. LLM発展途中で判った重要な発見
5. Fine-tuningとRAG
第4回
タイトル
第4章 最新生成AI技術の利用や作成の実践デモ
内容
1. システム面からみたLLMの代表的な使い方・作り方
2. システム実装のために何を勉強すればよいか
3. OpenAIやLangCain、Difyなどを使った実践デモ
第5回
タイトル
第5章 Synthetic dataの概要
内容
Synthetic dataは個人情報など機微情報を含むデータセットを元に、データ構造や統計的特徴が類似した架空のデータセットを人工的に生成する技術です。機微情報を含むために活用が難しいデータの代用とすることで、改正個人情報保護法やGDPRなどのデータ保護規制に対応しつつデータ利活用を進める手段の一つとして期待されています。
本章ではSynthetic dataの概要、ユースケース、課題について解説します。
第6回
タイトル
第6章 データ生成手法の解説やデータ生成のデモ
内容
前章で紹介したSynthetic dataを手元のデータからどのように生成するかを解説していきます。まず、データを生成するアルゴリズムについて説明し、次にPythonライブラリを用いたデータの生成を実演します。
第7回
タイトル
第7章 AIガバナンスと倫理
内容
1. コーポレートガバナンスにおけるAI倫理
2. AI倫理が議論となった国内外事例
3. 企業におけるAI倫理の実践に向けて
受講上の留意点 大学の既定のスケジュール通りに遅延なく受講してください。
成績評価基準 出席率(30%) + 各章の小テスト(40%) + 期末課題(30%)  
必読書籍 特になし
参考書籍 「IT Text 自然言語処理の基礎」、岡崎直観ほか、オーム社、2022年
「ゼロから作るDeep Learning ② ―自然言語処理編」、斎藤 康毅、オライリージャパン、2018年
「OpenAI GPT-4/ChatGPT/LangChain:人工知能プログラミング実践入門」、布留川英一、ボーンデジタル社、2023年
「LangChain完全入門」、田村悠、インプレス社、2023年
「Azure OpenAI ServiceではじめるChatGPT/LLMシステム構築入門」、永田祥平ほか、技術評論社、2024年
「深層学習」改定第二版、岡谷貴之、講談社、2022年
「大規模言語モデルは新たな知能か:ChatGPTが変えた世界 」、岡野原大輔、岩波科学ライブラリー、2023年
「プライバシー保護合成データの概説と動向」、日本総合研究所、2023.6.13
https://www.jri.co.jp/file/column/opinion/pdf/14266.pdf
その他 第4章では講師がOpenAIを実際に操作し活用方法について解説します。操作を一緒に試したい場合はOpenAIのアカウント登録(有料)が必要です。(操作しなくても受講はできます。)

※本シラバスは開講前に変更になる可能性があります。ご留意ください。
事前学修・発展学修 事前学修:
ChatGPT、Gemini、BingChatなどの生成AIに実際に触れ、簡単なプロンプトを入力し、生成される結果を観察してみてください。
統計学、機械学習、深層学習の基礎知識があると、講義内容の理解が深まります。特に、ニューラルネットワークの概念は重要です。
第4章および第6章に備え、Jupyter NotebookでPythonの基本操作ができるように環境を構築し、操作に慣れておくことをお勧めします。

発展学修:
各章で学んだ内容をご自身の業務に関連する具体的な課題に当てはめ、生成AIを活用したソリューションを考察して下さい。
第4章のハンズオンで学んだ内容をご自身の環境で実行してみて下さい。
第6章の講義で紹介されたPythonライブラリを使用してsynthetic dataを生成し、オリジナルデータとの比較を行い、その特徴や課題を考察して下さい。
第7章で学んだ倫理的な問題点を踏まえ、ご自身の業務において生成AIを導入する際の課題やリスクを洗い出し、具体的な対策を検討して下さい。これにより、職場での議論のきっかけ作りにもつながります。
対面授業
対面授業は実施しません。