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講義名 23秋 通期/起業会計実践
基準単位数 2
科目区分 金融・財務(発展)
必修・選択 選択
配当年次 1・2年次
学習期間 学習期間1学期

担当教員
氏名
◎ 太齋 利幸

オフィスアワー eラーニングサイトおよびメールでの質疑応答を受け付けています。
(メールアドレスは大学院グループウェアのアドレス帳でご確認ください)
授業の概要 貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書(C/S)の基本的な知識の習得とそれぞれの関係を学び、経営者が意識すべき決算書と題して、決算書に関する重要ポイントを学ぶ。また、財務分析として、収益性分析、安全性分析、生産性分析、成長性分析、キャッシュフロー分析について数値的な感覚を養う。一方、マネジメントのための管理会計についても触れる。
学習目標 起業時および起業後に必要な会計がらみの実務的知識を習得する。中小企業の会計で実務に役立つよう決算書の作成、税務申告書の作成ができるような会計の知識を身につけるようにしていく。また、これからの会社をどのようにしていくかといった経営のための管理会計の基本についても身につける。さらには、株式上場についても学ぶ。
授業計画 第1章
・イントロダクション・・・講師紹介、授業の概要、経理が1年間にすべきことの概要
講師紹介で場の雰囲気をやわらげ、授業に取り組みやすくします。次に、全15時間の授業の概要を話し、全体像をつかんでいただきます。その後、第3節から授業に入ります。まず、簿記の基本知識を説明して理解していただきます。最後に、経理が1年間にすべきことを学びます。

第2章
・貸借対照表(B/S)の基本的知識・・・貸借対照表の目的と意義、貸借対照表の読み方
まず、貸借対照表の目的と意義について触れ、会計公準と一般原則について学びます。その他、貸借対照表におけるいろいろな基準を理解していただきます。次に、貸借対照表の基本スタイルを学び、そのうえで、貸借対照表の読み方を勉強していきます。

第3章
・損益計算書(P/L)の基本的知識・・・損益計算書の目的と意義、損益計算書の読み方
損益計算書の目的と意義について触れ、損益計算書におけるいろいろな基準を学んでいきます。次に、損益計算書の基本スタイルを学び、そのうえで、の読み方を理解していただきます。最後に、税務調整、税効果会計について触れます。

第4章
・キャッシュフロー計算書(C/S)の基本的知識・・・キャッシュフロー計算書の目的と意義、読み方と作り方
キャッシュフロー計算書の目的と意義から入り、キャッシュと現金の違いについて理解していただきます。次に、キャッシュフロー計算書(間接法)の基本スタイルについて説明します。その中で、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローについての理解を深めます。そのうえで、キャッシュフロー計算書の作り方を学び、最後に読み方を勉強します。

第5章
・収益性分析・・・資本利益率、売上高利益率、損益分岐点分析
ここからは比率分析です。まずは収益性分析です。資本利益率から入り、売上高利益率と続きます。その中で、回転率や回転期間について学びます。さらには、総資本経常利益率の分解について触れます。ここは数学的要素の強いところです。若干難しさを感じる人も出てきます。最後に、損益分岐点分析について触れます。ここは管理会計部門となるため、第9章と第10章で詳しく勉強します。

第6章
・安全性分析・・・比率による分析、資金表による分析
つぎは安全性分析です。まずは比率分析です。流動比率、当座比率、固定比率、固定長期適合率、自己資本比率、負債比率、インタレストカバレッジレシオなど多くの比率を学びます。続いて、実数分析です。資金運用表、資金繰り表、資金移動表について学びます。

第7章
・生産性分析と成長性分析・・・労働生産性、労働分配率、成長性分析
次は生産性分析です。生産性の意味から入り、生産性分析の全体像を学びます。特に重要な労働生産性について詳しく学んでいきます。なかでも、付加価値率と従業員一人当たり売上高は重要で、ここでも数学的要素が大きく出てきます。労働生産性の分解もその一つです。一方、労働分配率も重要な指標でこちらもしっかり理解してほしいところです。続いて、成長性分析です。売上高、利益、資本、労働生産性の4つが中心となります。前期との比較で成長性を見ていきます。

第8章
・課題による学習・・・課題による学習
第7章までの知識を基に課題を解いていただきます。

第9章
・管理会計の基礎・・・財務会計との違い、埋没コストと機会コスト、固変分解
ここから2章は管理会計です。まずは財務会計との違いを説明します。次に、埋没コストと機会コストについて事例をもとに解説します。最後に、正しい判断に欠かせない変動費と固定費について学んでいきます。

第10章
・CVP分析・・・損益分岐点、限界利益、投資の評価
第5章で出てきた損益分岐点分析をより詳しく採り上げます。限界利益や追加受注の意思決定、安全余裕率などを事例をもとに詳しく説明します。最後に、投資の評価について触れます。投資収益率(ROI)、回収期間法、正味現在価値法(NPV)、内部収益率(IRR)について学びます。

第11章
・第8章の解答例・・・第8章の解答例を解説
11章の対面授業では8章で出題した課題の解答例の解説を行います。参加は必須ではありませんので、無理に参加されなくても結構です。内容は同時に公開する授業動画と同じです。ただディスカッションの場が提供できると思います。欠席の方は動画の解説を見て正しい理解をお願いいたします。

第12章
・連結財務諸表・・・連結財務諸表の概要、役割、作り方
連結の範囲はどこまでかといったことなど連結財務諸表の概要から入り、役割、作り方を学んでいきます。なかでも、投資と資本の相殺消去、内部取引の消去、未実現利益の消去は重要なところです。

第13章
・税務調査、決算対策、粉飾決算のあれこれ・・・税務調査、決算対策、粉飾決算
まず、税務調査について講師の経験を踏まえて詳しく学びます。次に、決算対策や粉飾決算について触れていきます。

第14章
・株式公開の知識(1)・・・株式公開とは、上場の基準と審査、上場の準備
株式公開について説明したうえで、そのメリットとデメリットを学びます。次に、上場の基準と審査について説明します。形式基準と実質基準を理解していただきます。最後に、上場の準備について解説し、理解していただきます。

第15章
・株式公開の知識(2)・・・資本政策、経営管理体制の準備、経営管理組織の確立、経営計画
資本政策とは、申請会社の発行済株式数や純資産の額、関係会社の整理など、各証券取引所が定めた上場審査の形式基準や実質基準をクリアーにすることに加え、創業者利潤の確保、相続税負担の軽減、公開後の経営権の維持などを目的とした諸対策の総称です。ここを理解したうえで、経営管理体制の準備、経営管理組織の確立について説明し、最後に、経営計画について学びます。
受講上の留意点 大学の既定のスケジュール通りに遅延なく受講してください。
成績評価基準 出席率20%
小テスト30%
レポート(第8章課題)25%
修了テスト25%
必読書籍 なし
参考書籍 「はじめての人の簿記入門塾」 かんき出版 浜田勝義
「世界一やさしい簿記の教科書 1年生」 ソーテック社 村田栄樹
その他 簿記を全く知らない人は事前に参考書籍を学習しておくことをお勧めします。
対面授業
対面授業を実施します。受講申込の際は「対面授業スケジュール」にて日程をご確認ください。