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講義名 24秋 通期/ファイナンス(山岸)
基準単位数 2
科目区分 金融・財務(コア)
必修・選択 必修
配当年次 1年次
学修期間 学修期間1学期

担当教員
氏名
◎ 山岸 洋一

オフィスアワー eラーニングサイトおよびメールでの質疑応答を受け付けています。
(メールアドレスは大学院グループウェアのアドレス帳でご確認ください)
授業の概要 ファイナンスの初学者を対象として、企業価値評価とそれを支える諸々の理論を中心に学ぶことにより、ファイナンスの諸理論の体系的な理解を目指します。また、ベーシックなファイナンス理論を学んだうえで、スタートアップのファイナンスの特徴を学びます。授業に際しては、ファイナンスの実践的な知識の修得に重きをおき、実務を行う段階で知っていないと困る「幹」となる理論を先に説明し、「幹」を支える理論はその後に解説します。常に「今学んでいるのは全体のどこに位置しているか」を示しながら解説します。また、確実な理解を促すため、数値例を多く示し、また、当該数値例をエクセルで計算することがあります。会計、法律、東証規則(コーポレートガバナンス・コード等)など周辺の知識が必要となる場合に、これらを適宜補足しながら学んでいきます。
学修目標 ファイナンスの諸理論を体系的に理解することにより、企業価値最大化のための財務的な意思決定を合理的に行うことができる。また、ベーシックなファイナンス理論の理解に加え、スタートアップのファイナンスの特徴を理解することにより、スタートアップの企業価値最大化のための財務的な意思決定を合理的に行うことができる。
授業計画(各章)
第1回
タイトル
第1章 本講義の目的等、企業価値評価とそれを支える諸理論①
内容
本講義の目的、本講義のコンセプト、ファイナンスとは、企業価値と株式価値
第2回
タイトル
第2章 企業価値評価とそれを支える諸理論②
内容
株式会社の仕組み、財務諸表の仕組み
第3回
タイトル
第3章 企業価値評価とそれを支える諸理論③
内容
お金の時間価値とは、将来価値と現在価値、期待利回りと割引率、リスクとリターン(期待利回り)の関係、永久債/成長型永久債/年金型投資商品の現在価値、一般的なアセットの価値の算出方法
第4回
タイトル
第4章 企業価値評価とそれを支える諸理論④
内容
プロジェクト(PJ)の意思決定、NPV、IRR、株式価値(理論値)の算出方法(配当割引モデル、エンタープライズDCF法)
第5回
タイトル
第5章 企業価値評価とそれを支える諸理論⑤
内容
エンタープライズ・バリュー(EV)とは、フリー・キャッシュ・フロー(FCF)を理解する!事業計画からFCFを算出する!ターミナルバリューを理解する!
第6回
タイトル
第6章 企業価値評価とそれを支える諸理論⑥
内容
加重平均資本コスト(WACC)を理解する!負債コストはどう算出する?株主資本コストはどう算出する?CAPMとは
第7回
タイトル
第7章 企業価値評価とそれを支える諸理論⑦
内容
「平均」「分散」「標準偏差」を学ぶ、(ご参考)リターンの確立分布と正規分布、ポートフォリオのリスクとリターンを学ぶ
第8回
タイトル
第8章 企業価値評価とそれを支える諸理論⑧
内容
効率的フロンティアを学ぶ、資本市場線を学ぶ、接点ポートフォリオとシャープレシオを学ぶ
第9回
タイトル
第9章 企業価値評価とそれを支える諸理論⑨
内容
市場リスクと個別リスクを学ぶ、βとは?証券市場線とは?(ご参考)資本市場線と証券市場線の関係
第10回
タイトル
第10章 企業価値評価とそれを支える諸理論⑩
内容
キャピタル・ストラクチャー、財務レバレッジとは?4つのMM命題、最適資本構成とは
第11回
タイトル
第11章 企業価値評価とそれを支える諸理論⑪
内容
Net Debtとは?非事業用資産とは?A社のケース~DCF法による株式価値評価をやってみる!~、(ご参考)Comps、EVA、ROIC
第12回
タイトル
第12章 企業価値評価とそれを支える諸理論⑫
内容
買収プレミアムと原資としてのシナジー(買収プレミアムが必要な理由、シナジーとは、「望ましい買収」とは?)、(ご参考)その他の論点:ペイアウト政策、金利・債券に関する諸理論
第13回
タイトル
第13章 スタートアップのファイナンス①
内容
スタートアップの特徴、スタートアップのファイナンスの特徴、資本政策と資金調達、VC等へ割り当てる株式等の種類とその理由
第14回
タイトル
第14章 スタートアップのファイナンス②
内容
VCの役割/ビジネスモデル、スタートアップの企業評価、(ご参考)オプションの基礎とストックオプション、優先株式の評価
第15回
タイトル
第15章 ケーススタディ(対面)
内容
成熟企業1社、スタートアップ1社を取り上げて解説
受講上の留意点 大学の既定のスケジュール通りに遅延なく受講してください。
対面授業を1回行います(第15章)。
成績評価基準 小テスト(60%)+期末レポート(40%)
必読書籍 特にありません。
参考書籍 ・石野雄一「道具としてのファイナンス(増補改訂版)」 日本実業出版社 2022年
・山澤光太郎「ビジネスマンのためのファイナンス入門55のキーワードで基礎からわかる」 東洋経済新報社 2004年
・俊野雅司、白須洋子、時岡規夫「ファイナンス論・入門-イチからわかる証券投資と企業金融」 有斐閣 2020年
・砂川伸幸「コーポレートファイナンス入門(第2版)」 日経BP 2017年
・マッキンゼー・アンド・カンパニー ティム・コラー+マーク・フーカート+デイビッド・ウェッセルゼ「企業価値評価 第7版[上]」 ダイヤモンド社 2022年
・磯崎哲也「起業のエクイティ・ファイナンス(増補改訂版)」 ダイヤモンド社 2022年
・あずさ監査法人インキュベーション部 大塚敏弘・阿部博ほか 「実践インキュベーション 大学発スタートアップ・エコシステムへのインサイト」 中央経済社 2022年
・山岸洋一「IPO ファイナンスの視点~基礎から応用まで制度と実務を解説~ イノベーション・インテリジェンス研究所 2024年
その他 特にありません。
事前学修・発展学修 事前学修:
・各章の動画を視聴する前に、必ずレジュメに目を通しておいてください。
・各章の小テストは、正しく理解して頂きたい重要な点を示していますので、動画を視聴する前に、小テストに目を通しておくことをお勧めします。
・第15章の対面授業の前に、第1章~第14章のレジュメに一通り目を通してください。

発展学修:
・動画を視聴して不明な点があれば、必ず、教員へ質問を行い、不明点を解消してください。
・各章で学んだ内容に基づいて、ご自身が所属する企業、取引先又は関心を持っている企業の企業価値がどの程度なのかを考察してみて下さい。
対面授業
対面授業を実施します。受講申込の際は「対面授業スケジュール」にて日程をご確認ください。