SBI大学院大学
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シラバス参照
講義名
25春 通期/マクロ経済学
基準単位数
2
科目区分
金融・財務(コア)
必修・選択
選択
配当年次
1・2年次
学修期間
学修期間1学期
担当教員
氏名
◎ 髙島 修
オフィスアワー
eラーニングサイトおよびメールでの質疑応答を受け付けています。
(メールアドレスは大学院グループウェアのアドレス帳でご確認ください)
授業の概要
実務経験(市場業務経験)の長い教員から、マクロ経済学の基本を学びながら、実践的な活用ができるようになることを目指す。
そのためには、歴史観を養い、現在の世界経済、日本経済が直面する現状を少しでも正しく把握できるようになることが必要であろう。そこから未来を見通す視座が得られるようになれば、なお良しである。
同時に、為替相場や金利、株式相場などマーケット動向を的確に捉える能力も養い、企業の財務戦略や投資運用に貢献できるようになることも目指す。
なお、本講座では理念よりも実践を重視するが、重要な基礎知識はおさらいするので、受講に当り、高い経済学の事前知識は不要である。
学修目標
1)金融経済学の理論と実践を学び、経営判断に貢献できるようになる。
2)マクロ経済学の基本とその発展の歴史を体系的に学ぶ。
3)通貨の本質を捉え、デフレ経済に陥った日本経済の問題点を理解する。
4)為替相場や株式相場などマーケット動向を敏感に把握できるようになる。
5)我々が生きている近代社会(資本主義と民主主義の関係など)について自分なりの理解を得る。
授業計画(各章)
第1回
タイトル
第1章 イントロダクション - 通貨とはなにか?-
内容
通貨の本質的な部分について考えてみます。
事前学修
この授業でマクロ的に金融経済や社会を見てもらう力を養ってもらいたいと考えています。日本経済新聞や経済誌などで最近の経済ニュースなどを読み、自分なりの問題意識を持って授業に臨むようにしてください。
発展学修
推薦図書:松本清張著『西郷札』
第2回
タイトル
第2章 どのような時代を我々は生きているのか?
内容
現在、我々が生きている時代がどのように特殊なのかを考えます。
事前学修
前章までの学修内容をよく復習して臨んでください。
発展学修
推薦図書:ピーター・ドラッカー著『断絶の時代』
第3回
タイトル
第3章 金融危機
内容
過去の金融経済危機を学び、今後の危機に備える心準備を整えます。
事前学修
前章までの学修内容をよく復習して臨んでください。
発展学修
推薦図書:C.P.キンドルバーガー他著『熱狂、恐慌、崩壊:金融危機の歴史』
第4回
タイトル
第4章 通貨論
内容
通貨の歴史などを体系的に学びます。
事前学修
前章までの学修内容をよく復習して臨んでください。
(特に第1章)
発展学修
推薦図書:L.F.ボーム著『オズの魔法使い』
第5回
タイトル
第5章 経済学の系譜
内容
アダム・スミスやカール・マルクスなどケインズ以前の経済学について学びます。
事前学修
前章までの学修内容をよく復習して臨んでください。
発展学修
推薦図書:アダム・スミス著『道徳感情論』
第6回
タイトル
第6章 マクロ経済学 (1)
内容
マクロ経済学の原点であるケインズ経済学とシュンペーターの経済学の基本を学びます。
事前学修
前章までの学修内容をよく復習して臨んでください。
(特に第5章)
発展学修
推薦図書:ヨーゼフ・シュムペーター著『資本主義・社会主義・民主主義』
第7回
タイトル
第7章 マクロ経済学 (2)
内容
マクロ経済学を巡る様々な考え方や方法論の違いなどについて学びます。
事前学修
前章までの学修内容をよく復習して臨んでください。
(特に第5、6章)
発展学修
推薦図書:オリヴィエ・ブランシャール著『21世紀の財政政策:低金利・高債務下の正しい経済戦略』
第8回
タイトル
第8章 マクロ経済学 (3)
内容
IS/LM分析を用いた経済分析やその国際経済への応用について学びます。
事前学修
前章までの学修内容をよく復習して臨んでください。
(特に第6、7章)
発展学修
推薦図書:J.M.ケインズ著『雇用・利子および貨幣の一般理論』
第9回
タイトル
第9章 経済学の新思考
内容
最近の経済学の潮流変化と新しい経済学の考え方について学びます。
事前学修
前章までの学修内容をよく復習して臨んでください。
(特に第5、6、7章)
発展学修
推薦図書:トマ・ピケティ著『21世紀の資本』
第10回
タイトル
第10章 中央銀行論
内容
日銀や米連銀など中央銀行とその金融政策の基本について学びます。
事前学修
前章までの学修内容をよく復習して臨んでください。
(特に第8章)
発展学修
推薦図書:ライアカット・アハメド著『世界恐慌』(上/下)
第11回
タイトル
第11章 金融ドミナンスと財政ドミナンス
内容
マネタイゼーションなど従来、禁じ手とされてきた経済政策の可能性について考えてみます。
事前学修
前章までの学修内容をよく復習して臨んでください。
(特に第8、10章)
発展学修
推薦図書:アデア・ターナー著『債務、さもなくば悪魔』
第12回
タイトル
第12章 行動経済学
内容
ヒューリスティックやバイアスなど行動経済学の基本を学び、相場分析に結びつけていきます。
事前学修
前章までの学修内容をよく復習して臨んでください。
(特に第7章)
発展学修
推薦図書:ダニエル・カーネマン著『ファスト&スロー』(上/下)
第13回
タイトル
第13章 マーケットの蹉跌
内容
実際の市場がいかに間違いやすいかを考え、効率的市場仮説を批判します。
事前学修
前章までの学修内容をよく復習して臨んでください。
(特に第3、12章)
発展学修
推薦図書:ナシーム・ニコラス・タレブ著『ブラック・スワン』(上/下)
第14回
タイトル
第14章 資本主義論
内容
第13章までで学んできたことを踏まえた上で、近代社会の経済システムである資本主義について体系的に学びます。
事前学修
前章までの学修内容をよく復習して臨んでください。
(特に第2、13章)
発展学修
推薦図書イマヌエル・ウォーラーステイン著『近代世界システム』(Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳ)
第15回
タイトル
第15章 今を生きる‐問われる民主主義の力‐
内容
民主主義と資本主義がどのようにバランスをとるべきかを考え、その中での我々一人々々の行動原則についても考えてみます。
事前学修
前章までの学修内容をよく復習して臨んでください。
(特に第2、14章)
発展学修
推薦図書:ヴィクトール・E・フランクル著『夜と霧』、『それでも人生にイエスと言う』
授業計画
第1章から第15章までビデオによる学修です。それとは別に、参加任意の金融経済座談会的な課外授業(評価対象外)を1、2回、行う予定です。
受講上の留意点
大学の既定のスケジュール通りに遅延なく受講してください。
成績評価基準
毎回の確認テスト(比重70%)
最終回までの論文提出(比重30%)
必読書籍
なし
参考書籍
吉川洋著『マクロ経済学』(岩波書店)
上川孝夫他著『現代国際金融論』(有斐閣ブックス)
キンドルバーガー著『熱狂、恐慌、崩壊:金融危機の歴史』(日本経済新聞出版)
ケインズ著『雇用・利子および貨幣の一般理論』(東洋経済新報社など)
シュンペーター著『資本主義、社会主義、民主主義』(日経BP社など)
ダニエル・カーネマン著『ファスト&スロー(上/下)』(ハヤカワ文庫)
ウォーラーステイン『近代世界システムⅠ~Ⅳ』(名古屋大学出版会)
その他
授業はオンラインが基本です。
経済学や統計学の高い知識は不要です。かなり高い知識レベルを求める層には向かないかもしれません。
対面授業
対面授業を実施します。受講申込の際は「対面授業スケジュール」にて日程をご確認ください。