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講義名 22春 後期/リーダーシップ特論II(「韓非子」)
基準単位数 1
科目区分 組織・人的資源(応用)
必修・選択 選択必修(経営人間学系)
配当年次 1・2年次
学習期間 学習期間1/2学期

担当教員
氏名
◎ 守屋 洋

オフィスアワー eラーニングサイトおよびメールでの質疑応答を受け付けています。
(メールアドレスは大学院グループウェアのアドレス帳でご確認ください)
授業の概要 中国戦国時代の法家である韓非の著書である『韓非子』(かんぴし)は春秋・戦国時代の思想・社会の集大成と分析とも言える書物であり、人間不信の哲学のうえに立って、権力のあり方を追求している点が特徴である。後世にも深い影響を与えたと言われているその思想を通じて、『韓非子』独特の性悪説に立った組織管理のコツなどリーダー論を探求する。
学習目標 これまで日本社会が『論語』の説く「性善説」の側に立って運営されてきたため、『韓非子』が唱える「性悪説」は馴染みが薄く、その厳しさは我々には衝撃的でもある。しかし社会が激変している現代では韓非子流もまた必要となる。本講では、韓非子の背景に流れる思想を理解し、韓非子流の所謂人間不信の上に立ったリーダーのあり方について習得する。自分には何が欠けているのか。これから、どこをどう磨いていけばよいのか。自分なりの課題を見つけることを目標とする。
授業計画 第1章 韓非子の思想
・中国古代の諸子百家について概説したうえで、韓非子の思想の概要を説明。韓非子と老子が説いているリーダーのあるべき姿を説明する。

第2章 理想のリーダー像
・『為政三部書』の説く内容等も踏まえ、理想のリーダー像と求められる行動について、より踏み込んで考察する。

第3章 組織管理のコツ
・上に立つものが組織をマネジメントするうえで留意しなければならないポイントを解説する。

第4章 トップの自滅する原因
・目先の小さな利益にとらわれること(顧小利)や自分の利益ばかり追求すること(貪愎喜利)、過ちに気付いても改めようとしない(過而不改)といったトップが自滅する原因を説明する。

第5章 実権者に仕える心得
・三回諌めて君主(トップ)に聞いてもらえない場合は立ち去りなさい(三諫而不聴、則逃之)や進言する難しさというのは相手(君主)の心をよく知った上でこちらの言うことを相手の心にあてはめていくこと(説之難、在知所説之心、可以吾説当之)といった言葉を紹介し、実権者に仕える心得を理解する。

第6章 現実を生きる人間像
・変化のスピードがはやく、その度合も大きい現代にあっては、状況に上手く対応していくことが欠かせない。韓非子をはじめとした古典から、変化の時代を生き抜く知恵を考察する。

第7章 韓非子の名言
・巨大な堤防も螻(けら)や蟻の掘った小さな穴からつぶれてしまう(千丈之堤以螻蟻之穴潰)や人を頼りにせず、自分を頼りにしなさい(恃人不如自恃也)、下級の君主は自分の能力だけで仕事をし、中級の君主は人の力を用いて仕事をし、上級の君主は人の知恵を活かして仕事をする(下君尽己之能、中君尽人之力、上君尽人之智)といった名言から、リーダーやマネジャーとしての心構えを再確認し、職場での自らの行動を考える。
受講上の留意点 大学の既定のスケジュール通りに遅延なく受講してください。
成績評価基準 各章のレポート(70%) + 総合レポート(30%)
必読書籍 特になし
参考書籍 ・韓非子-強者の人間学(PHP研究所)守屋洋著
その他 ・中国古典に見る指導者の条件(守屋洋)を事前に履修していることが望ましい。
対面授業
対面授業は実施しません。