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講義名 24春 前期/組織行動学
基準単位数 1
科目区分 組織・人的資源(コア)
必修・選択 必修
配当年次 1年次
学習期間 学習期間1/2学期

担当教員
氏名
◎ 重田 孝夫

オフィスアワー eラーニングサイトおよびメールでの質疑応答を受け付けています。
(メールアドレスは大学院グループウェアのアドレス帳でご確認ください。)
面会やWebでのミーティング等を希望する場合は、事前に希望日時をメールでご連絡ください。
授業の概要 組織行動(Organizational Behavior, OB)とは、組織の中での人々の行動を指します。組織の行動ではありません。人間は、社会的動物ですので、人間社会の中で行動します。集団の中で、コミュニケーションし、よりよい社会を築き、幸福な生活を営むことを目指します。
組織行動学が対象とするのは、仕事の組織です。組織は、一人ではできないことを成し遂げることを可能とします。組織に貢献し、社会の発展に寄与することで、働く意義が高まります。個人としての幸福度が高まると、その組織の生産性も向上するという研究結果もあります。
授業では、それらの基本となる理論やコンセプトを考察します。
学習目標 次の5つの課題に取り組むことで、よりよい自己認識・自己管理を通した組織行動ができるようになることを目指します。
1) 自分に磨きをかけ、キャリアを伸ばすために効果的な学習方法を理解し、授業で学んだことを新たに試行・実践する。
2) 幸福とはどういうことかを理解し、よりよい人生を生きるための行動改善策を立案する。
3) 個人の行動を引き起こす仕組みを理解し、目標達成の確率を高める改善策を立案・実践する。
4) 自分が所属している組織やチームの課題を整理し、対策を立案する。
5) より優れたリーダーシップを発揮するための自ら課題を特定し、能力開発計画を作成する。
授業計画 第1章では、第1節で、学習目標や成績評価基準、授業の受け方を説明。第2節で、学習方法のあり方を解説。第3節で、学習効果を高めるためのポイントを確認します。

第2章では、幸せ、幸福、Happinessとは何かを考察してみます。人間は古来より幸福になるための方法に深い関心を寄せてきました。幸福とはどういうことかや、幸福であるためにはどのように生きるとよいのかを考察する学問を「幸福論」(Eudaemonics)と呼びます。参考文献:ハーバード・ビジネス・レビュー編集部編『幸福学』ダイヤモンド社2018年。

第3章では、個人の行動に大きな影響を与える価値観と認知、感情について解説します。価値観が異なれば、生き方が変わり、行動が変わります。自分の置かれた状況を的確に認知・判断できなければ、それに対応した適切な行動はとれません。そして、感情によって、認知が変わり、行動も変化します。

第4章では、動機づけの基本概念や理論を踏まえ、目標によるマネジメントでの動機づけ理論の統合を考察します。鹿毛雅治編『モティベーションをまなぶ12の理論』金剛出版2012年等の本やWebで動機づけ理論についての知識は得られますが、上手く活用できるようになるためには、状況に応じて、訓練・実践することが欠かせません。

第5章では、一人ではできない仕事をチームで協力して成し遂げるのは、組織行動の真骨頂です。集団心理や集団で行動する際に表れやすい傾向を踏まえ、チーム力を高めるためのポイントを考察します。

第6章では、「あの人は、あるいは自分はコミュニケーションが下手だ」と考えずに、個別・具体的に捉え、それぞれの局面で、どうしたらよいのかを考える力を養います。フィードバックについても、単に「ネガティブでなく、ポジティブなものが望ましい」といった見方は避け、それぞれの要点を理解することが大切です。また、提案に対しての反論のパターンも学びます。

最終の第7章では、リーダーシップを取り上げます。リーダーの行動には、ビジョンや目標を提示する、人心をまとめる、動機づける、援助・支援するといったものがあります。徳性に優れた尊敬するリーダーを取り上げて、その具体的な行動を見習いたいものです。
受講上の留意点 1)授業の視聴は、公開から1週間以内に済ませるようにしてください。「出席」はとりませんが、第2章以降は、授業で学び、新たに実践してみたいこと、したことの投稿をしていただきます。
2)タイミングよく投稿し、他の受講生と歩調を合わせて学ぶことで、理解を深められます。コースマップに投稿上の留意点をまとめてありますので、確認してください。
3)本講座には2つのグループワークがあります。1回目と2回目ではメンバーが入れ替わります。コースマップにある期限を確認し、グループとしてのレポートをまとめ、提出してください。1回目については、第2章で説明しています。第2章は公開後すぐに視聴し、グループワークに速やかに着手しましょう。グループワークは、個人的な価値観やキャリアに関した内容を含んでいるため、各メンバーの要望に応じて匿名性を確保していただきます。
4)対面授業(スクーリング)が1回あります。第1回のグループワークのメンバーの顔合わせになるタイミングで開催しますので、事前に「対面授業スケジュール」にて日程を確認のうえ、できるだけ出席してください。
成績評価基準 この授業の成績評価の構成は、投稿30%、グループ・ワーク40%、テスト30%です。

グループワークでは、2回ともそれぞれ成果物の提出とメンバー評価があります。グループとして提出する成果物の評価は、同一グループのメンバー全員に同じ評価で、比重は1回分が全体の10%、2回のグループワーク合計でも20%です。残り20%がメンバー評価で決まります。が、点数を気にするのではなく、望ましい行動が発揮されたかを振り返るための適切なフィードバックにすることが大切です。第1回のグループワークでのメンバー評価のフィードバックを受けて、改善点を見出し、第2回のグループワークでよりよい行動を発揮しましょう。第2回のメンバー評価のフィードバックで、それが上手くできたかを確認し、自らの職場での行動に役立てていただければ幸いです。メンバー評価はアンケートで行います。アンケートの回答がきちんと質問を読んで、各メンバーが発揮した行動の違いを的確に反映したものでないと判断された場合は、回答を無効とすることがあります。学習を通して現在よりも成長することが目的です。振り返りでは、第三者の観点からの省察をきちんと行えるようにすることが欠かせません。

投稿は、1)授業で学んだことを受講後に自分で実践した体験、もしくは
2)実践しようとしていることを具体的にイメージしたものにしてください。
これまでに実践していることの紹介や単なる感想ではなく、学んだことを実際に試し、習得につなげることが重要です。抽象的な単なる「思い」だけの投稿になった場合は、「その思いを受けて、どうしますか」といったフィードバックを行いますので、改めて具体的な行動を投稿してもらえば、投稿のポイントが高まります。

テストは、テスト時間に制限はなく、自宅等で小論文を作成する形式です。参考書籍等を参照していただいて構いません。
必読書籍 なし。
参考書籍 Stephen Robbins, Timothy Judge “Essentials of Organizational Behavior, Global Edition 15th Edition” Pearson 2021
鈴木 竜太、服部 泰宏『組織行動 - 組織の中の人間行動を探る』有斐閣 2019年
ハイディ・G・ハルバーソン『やってのける:意志力を使わずに自分を動かす』大和書房2013年
ダグラス・ストーン、シーラ・ヒーン『ハーバード あなたを成長させるフィードバックの授業』東洋経済新報社 2016年
ハーバード・ビジネス・レビュー[EIシリーズ] 『共感力』ダイヤモンド社 2018年
その他、各章で参考文献を紹介。
その他 入学初学期の必修科目です。受講の取り下げはできません。
対面授業
対面授業を実施します。受講申込の際は「対面授業スケジュール」にて日程をご確認ください。