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講義名 23春 通期/ヒューマン・リソース・マネジメント
基準単位数 2
科目区分 組織・人的資源(コア)
必修・選択 選択
配当年次 1・2年次
学習期間 学習期間1学期

担当教員
職種氏名
教授◎ 重田 孝夫

オフィスアワー eラーニングサイトおよびメールでの質疑応答を受け付けています。
(メールアドレスは大学院グループウェアのアドレス帳でご確認ください)
面会やWebでのミーティング等を希望する場合は、事前に希望日時をメールでご連絡ください。
授業の概要 オランダで在宅ケア看護を展開しているBuurtzorg(ビュートゾルフ)が日本でも注目されています。ビュートゾルフは、オランダの地域看護師だったヨス・デ・ブロック氏が2006年に創業した非営利の在宅ケア組織です。4人からスタートし、10年後には約850チーム(1チーム12人)、約10,000人に成長しました。利用者満足度、従業員満足度がともに非常に高く、生産性も抜きんでています。人材不足の日本の介護業界の常識では理解できないのではないでしょうか。

本講座では、多様性の尊重と内発的動機づけの強化を軸にした宮大工の棟梁の人材マネジメントや社員のポジティブな精神状態を大切にして生産性を高めている会社の事例等を参考にして、企業規模の大小、業種の違いにかかわらず、人材の特性を個別に把握し、能力を育成・活用し、組織の競争力を向上させるための原則を学び、修己治人の観点に立って、自らの職場で実践を考え、試行し、それを投稿してもらい、討議を通して、人的資源管理への理解を深めます。
学習目標 人は、重要な経営資源であり、競争優位を築く源泉です。が、報酬水準を高めても、優秀な人材を採用・確保できる訳ではありません。自律性、有能感、関係性の3つの柱を軸とした内発的動機づけが大切です。働きがいを感じられる経営理念の展開、優れた人を育てるためのリーダーのあり方、労働人口減少時代下に組織の生産性を高めるためのマネジメント、人生100年時代のキャリア開発のあり方、ポストコロナ時代の働き方改革やDX等を考え、自らの職場で実際に試行してみることで、実践を通しての学習力、レジリエンス力を養います。

そして、期末に、内発的動機づけが図られるよりよい職場になるための自らの組織の改善案を作成することが目標です。授業後になりますが、改善案を実践し、受講生が自らの組織において高く評価される成果を上げることが期待されます。
授業計画 第1章では、授業の受け方や成績評価基準の説明に加え、ヒューマン・リソース・マネジメント(HRM)の目的と役割を解説します。マネジメントでは、会社の成長をX軸、従業員の成長をY軸とし、社会への貢献をZ軸と考えた場合に、3次元での体積を増やすことが大切です。よりよい社会のために貢献する組織で、内発的動機づけが得られる仕事をできるように考え、工夫することが求められます。『ティール組織』第Ⅰ部、第1章「変化するパラダイム」と第3章「進化型」を予習として読んでおいてください。

第2章では、『ティール組織』でも取り上げられているパタゴニア社の経営理念の展開を学びます。スローガンとしての経営理念やミッション・ステートメントでなく、会社の利益が損なわれるとしても、理念に基づき、地球環境にやさしい経営判断を繰り返してきたパタゴニア社の事例はよい参考になるはずです。

第3章では、内発的動機づけの柱の一つである有能感に不可欠な客観的なファクトで仕事での出来栄えのフィードバックを得ることの大切さを宮大工のケースから学びます。セルフ・マネジメントに必要なポイントを数多く見出せます。

第4章では、労働人口が減少、人材不足が問題となっている日本の現状を把握し、働き方改革を進めるとともに労働生産性を向上させることの必要性を理解します。

第5章では、内発的動機づけの枠組みを理解し、組織や職場でその障害となっている要因を把握、対策を考察します。

第6章では、優れた行動特性(コンピテンシー)の概略を理解し、内発的動機づけのループを回して、どう行動のレベルアップを図るかを考察します。より詳しくは、コーチングの授業で解説しています。

第7章では、当面の業務を超えて、キャリア開発をどう図ったらよいかをハーバード・ビジネス・レビュー誌から受講生自らが参考になる記事を選び、自分でどのようなアクションをとることが求められているかを考察します。

第8章では、よりよい職場の文化・風土について学びます。『ティール組織』第Ⅱ部、第7章「共通の文化特性」を読んでおいてください。

第9章では、職場風土に大きな影響を与える管理者のスタイルを理解し、内発的動機づけを促進するための行動を考察します。例えば、こんな管理スタイルに該当する行動を発揮することが求められると考えたら、実際に、だれに、どんな局面で、どう対応すればよいかをイメージし、実践してみて、振り返りましょう。
D.ゴールマン、R.ボヤツィス他『EQリーダーシップ』第1部、日本経済新聞社2002年を読んでおいてください。

第10章では、企業の成長に伴う組織の変化、組織構造の違いを理解するとともに時代や環境の変化に対応する組織をどう作るのかの課題を考察します。

第11章では、HRMに係わる法規制に関するアクティブ・ラーニングとしてのグループワークです。各種のハラスメント対策や残業時間の短縮等が求められている会社が少なくありません。職場の状況に応じて、最新情報はWeb等から入手のうえ、対策を立案してください。グループワークの進め方については、第11章の開始時期に連絡します。講義ビデオはありません。

第12章では、対面授業でイノベーションを実現するための仕掛けや工夫、障害となる人事制度等の見直しのポイントを解説します。
谷 敏行著『Amazon Mechanism (アマゾン・メカニズム)』日経BP 2021年を予習として読んでおいてください。

第13章では、人材のグローバル化に焦点をあて、その内容を検討するとともに、問題点を整理し、課題克服のための成功要因を法的コンプライアンスの観点も含めて考察します。

第14章では、Strategic Sourcing の概要とOffshoring の流れを把握し、外部資源の活用に際してのポイントを理解します。

第15章は、受講生のみなさんから提出された期末レポートを取り上げて、どんなポイントに気をつけたらよいかを考える「実例研究」です。講義ビデオはありません。
受講上の留意点 1)授業の視聴は、公開から1週間以内に済ませるようにしてください。「出席」はとりませんが、第2章以降は、授業で学び、新たに実践してみたいこと、したことの投稿をしていただきます。
2)タイミングよく投稿し、他の受講生と歩調を合わせて学ぶことで、理解を深められます。コースマップに投稿上の留意点をまとめてありますので、確認してください。
3)投稿の点数化の基準は、次の通りです。
 0点:
  ・事務連絡や単なる情報提供など。
 1点:
  ・授業内容に関連した感想や抽象論、一般論など次の2点の基準に満たないもの。
  ・他の参加者の投稿が漠然とした「思い」で終わっているときに、具体的行動イメージを描いてもらうための質問。
 2点:
  ・学んだことの具体的な実践イメージあるいは実践報告。
   近未来に行動するイメージを具体的にしたもの。授業で学んでから、考え、実行したこと。
   授業の前から実施していたり、予定されていたものを除く。
  ・他の参加者の実践を向上させる適切なアドバイス。(一般論、抽象論でなく、実践を前提としたもの。)
 3点:
  ・学び、考え、実践し、的確な分析・評価をした報告。
とりあえず、実践イメージを投稿して2点を得たあとで、実践結果を分析・評価して報告いただければ、追加で1点を獲得できます。
投稿内容が抽象的(=1点)だったときに、質問が投げかけられ、それに対して具体的な回答があれば、1点加算となります(合計で2点)。
4)コースマップにある「投稿上の留意点」を読んで、投稿の形式等をできるだけ遵守してください。
5)対面授業(スクーリング)が1回あります。
成績評価基準 討議グループへの投稿(30%)+小テスト(20%)+グループワーク(20%)+レポート(30%)
必読書籍 必読テキストはありません。
参考書籍 フレデリック・ラルー著『ティール組織―マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』英治出版2018年
D.ゴールマン、R.ボヤツィス他『EQリーダーシップ』日本経済新聞社2002年
エリック・シュミット著『How Google Works 私たちの働き方とマネジメント』日本経済新聞出版社 2017年
チャールズ・オライリー、マイケル・タッシュマン著『両利きの経営』東洋経済新報社2019年
ダリル・ブリッカー、ション・インビットソン著『2050年世界人口大減少』文芸春秋 2020年
その他 コースマップは事前に見ておいてください。期末レポートの提出期限も記載されています。
対面授業
対面授業を実施します。受講申込の際は「対面授業スケジュール」にて日程をご確認ください。