シラバス参照

印刷
講義名 24秋 後期/経営者に学ぶベンチャー企業経営
基準単位数 1
科目区分 戦略・マーケティング(発展)
必修・選択 選択
配当年次 1・2年次
学修期間 学修期間1/2学期

担当教員
氏名
◎ 吉田 宣也
斎藤 槙
早川 智也
大月 延亮

オフィスアワー eラーニングサイトおよびメールでの質疑応答を受け付けています。
(メールアドレスは大学院グループウェアのアドレス帳でご確認ください)
授業の概要 本科目では、ベンチャー経営において重要な6テーマ(①事業コンセプト・事業戦略、②営業・マーケティング、③財務/資金調達、④組織開発・組織文化、⑤ソーシャルインパクト、⑥製品開発)を、第一線のベンチャー経営者の実例を基に学んでいく。授業は担当教員(吉田)が全体監修を行い、各章は担当教員を含めそれぞれ専門分野の講師がベンチャー経営者をゲストに迎えてファシリテートし、経験に基づくベンチャー経営のエッセンスを引き出す形で行われる。経営資源が豊富な大企業とは異なるベンチャーならではの経営における創意工夫を疑似体験しつつ実践的なスキルを学ぶ。
学修目標 ベンチャー経営の疑似体験というつもりで当事者意識を持ってベンチャー経営者の経験を分析し、ベンチャー経営において克服すべき課題は何か、また、それらをどのように解決すべきかを考えることを通じて、自ら所属する組織において直面する課題に対しても、ベンチャー経営者と同様の目線でそれらを解決するための具体的なアクションを描くことができるようになること。
授業計画(各章)
第1回
タイトル
第1章 オリエンテーション+事業コンセプト・事業戦略(ファシリテーター:大月延亮・吉田宣也)
内容
(1)オリエンテーション
世界に名だたる急成長ベンチャーを多数輩出する起業家の聖地Silicon Valley。この地で革新的な製品・サービスが次々と生み出される秘訣は何か?長年に渡りSilicon Valleyでテクノロジー・ベンチャーの経営に携わってきたプロフェッショナルを迎え、現在のSilicon Valleyを形作った歴史、文化を紐解くと共に、これから世界を舞台に活躍する起業家が身につけるべきスキルを学ぶ。
(2)事業コンセプト・事業戦略
自身が希代のシリアルアントレプレナーでもある、本学の藤原理事をゲスト講師にお迎えし、「イノベーションは、それを求める主体、起こす主体、推進する主体の3つが存在して初めて実現される」こと、および「イノベーションを起こすことこそが起業家(=アントレプレナー)の使命であることについての公開講座の模様を収録。
第2回
タイトル
第2章 営業・マーケティング(ファシリテーター:吉田宣也)
内容
日本初の「需要喚起型」遠隔医療ベンチャーである、ネクストイノベーション社の石井健一社長をお招きし、現在進行形のベンチャー企業のマーケティングについて体験談を伺う。”フレームワーク”の外側の、""プランA""通り【うまくいかないマーケティング】などの生の話を中心に展開する。
第3回
タイトル
第3章 財務・資金調達(ファシリテーター:早川智也)
内容
起業わずか3年1ヶ月で東証マザーズへの上場を果たした、株式会社クラウドワークス。同社代表取締役社長吉田浩一郎氏をお招きし、「起業から上場までのコーポレートファイナンス(資金調達)の実際」というテーマで体験談を伺う。
第4回
タイトル
第4章 組織開発・組織文化(ファシリテーター:大月延亮)
内容
Amazon日本法人創業者にして、現在、株式会社富士山マガジンサービス(2017年7月東証マザーズ上場)の代表取締役会長(収録時の役職は代表取締役社長)を務める西野伸一郎氏をゲスト講師にお迎えし、「創業当初」「上場まで」「上場後」の3つの各フェーズで、事業の成長及びビジネスモデルの発展に伴い、どのような組織マネジメントを心がけてきたか、また、その過程でどのようなご苦労を経験し、乗り越えられたかをAmazonでのご経験も交えて話を伺う。
第5回
タイトル
第5章 ソーシャルベンチャー(ファシリテーター:斎藤槙)
内容
「社会起業」という言葉は、営利企業でありながら環境や社会運動を行う「NPOのような企業」を指すと同時に、NPOでありながら企業のように大規模に事業を展開する組織をも指す。この章では「企業のようなNPO」ソーシャルベンチャーの典型である、LTSC社(ロサンジェルス)を中心に研究する。幼児、青少年、シニア、家族をはじめ様々なコミュニティを対象に、設立43年になる社会福祉NPOのLTSCは、130人の職員を抱え、ロスに950を超える低所得者用の不動産や、商業施設やコミュニティのための不動産物件を開発してきた。このLTSCを舵取りする2人の日系人を訪ねてソーシャルベンチャーの魅力に迫る。
第6回
タイトル
第6章 製品開発(ファシリテーター:吉田宣也)
内容
困難と言われるITセキュリティ業界にて起業した、ワンビ株式会社の代表取締役社長 加藤 貴氏をゲスト講師にお迎えし、「ベンチャー創業時の製品企画と開発」および「長期視点でみたプロダクトライフサイクル」の2点を中心にお話を伺う。また、加藤氏が過去に活躍したトレンドマイクロ㈱やサイボウズ㈱にて、どのようにプロダクト開発スタイルを確立し、製品を生み出しながら会社を成長させてきたか、などについての体験談を具体的に伺う。
第7回
タイトル
第7章 まとめ
内容
ここまでの各章で、第一線で活躍するベンチャー経営者たちの成功そして失敗体験を学んできた。
ベンチャーを成功させるには、事業のコンセプトや戦略をどう立てるか?営業やマーケティングの効果的な展開方法は?「製品」を「商品」にしていく方法は何か?資金調達をする上で留意すべき点は何か?従業員がやる気を起こす組織開発とは?社会が求めるニーズにどう答えていくか?など様々な角度から見ていく必要があることを考えさせられる。
まとめの章となる本章では、これらゲスト経営者を選定・お招きし、かつ授業のファシリテーターとして動いた本学講師陣たち4人による、それぞれの専門分野から見るベンチャー分析や自身の体験を語って頂く。東京とロサンジェルスをつないで行ったディスカッションの模様も収録した。
授業計画 以下の各章の内容に加えて、第1章~第5章受講後のタイミングで1回、各章のファシリテーターを務めた担当教員と受講生によるインタラクティブなセッション(オンライン会議ツールによるライブ配信)の機会を設け、各章の配信内容に関するQ&A、ディスカッション及びコンテンツのアップデートを実施する。(本セッションは、出欠カウントの対象とするが、ライブ配信に参加できない受講生は、eラーニングサイトの掲示板より質問を事前に投稿することによりQ&Aに参加可能とし、セッション後に配信される録画を閲覧することにより出席扱いとする。また、ライブ配信時の受講生の発言及びeラーニングへの質問投稿は加点評価の対象とすることがある。)
受講上の留意点 大学の既定のスケジュール通りに遅延なく受講してください。
成績評価基準 出席率(40%)+期末レポート(60%)
必読書籍 特にありません。
参考書籍 斎藤槙「社会起業家〜社会責任ビジネスの新しい潮流」岩波新書
ピーター・ティール「ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか」NHK出版
安宅和人「シン・二ホン」NewsPicksパブリッシング
尾原和啓「ITビジネスの原理」NHK出版
その他 特にありません。
事前学修・発展学修 事前学修
以下に各回ごとの「キーワード」を示しますので、それらの言葉についてのご自身の理解度、関連経験、得意不得意、など自由な視点で興味関心を持ち、積極的にネット検索等を活用して関連情報の把握に努めてください。
第1回 ・シリコンバレーというスタートアップ環境 ・テクノロジー起業について ・幹部仲間との出会いについて ・失敗、挫折について
第2回 ・事業の発想、着想 ・うまくいかなかった場合の「プランB」 ・進めながら軌道修正していくこと
第3回 ・起業すること、上場すること、の意味 ・資金調達の選択肢と考え方
第4回 ・ベンチャーの成長過程と、それぞれのフェーズでの経営の違い
第5回 ・営利企業と非営利起業について ・企業の社会的責任について
第6回 ・製品企画の着想 ・プロダクトアウト vs マーケットイン ・プロダクト・ライフサイクル
第7回 ・全体をふまえた総括的なディスカッション ・事業の成功要素の確認

発展学修
1.最近耳にするベンチャー企業の事業内容や戦略を調べ、本講座で学修した理論やフレームワークに照らして、できるだけ客観的かつ批判的に考察してみてください。
2.「参考書籍」としてあげた書籍に触れ、本講座で触れた理論やフレームワークとの関連性を思索してみてください。

対面授業
対面授業を実施します。受講申込の際は「対面授業スケジュール」にて日程をご確認ください。