SBI大学院大学
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講義名
24春 前期/サステナビリティ・マネジメント
基準単位数
1
科目区分
戦略・マーケティング(応用)
必修・選択
選択
配当年次
1・2年次
学修期間
学修期間1/2学期
担当教員
氏名
◎ 松原 恭司郎
オフィスアワー
eラーニングサイトおよびメールでの質疑応答を受け付けています。
(メールアドレスは大学院グループウェアのアドレス帳でご確認ください)
授業の概要
気候変動やジェンダー平等が市民の関心事となり、機関投資家を始めとする資金提供者によるESG(環境・社会・ガバナンス)評価のウエイトが高まっています。
2030年を達成期限とする国連のSDGs(持続可能な開発目標)について表層的な理解や誤解がある中で、肝心の環境はプラネタリーバウンダリー(地球の限界)を超えつつあり、カラフルなホイールバッジや17のアイコンから一歩踏み込んで考える時期に来ています。
本授業では、サステナビリティ(持続可能性)、サステナブル・ディベロプメント(持続可能な開発)、SDGsの本質を理解し、サステナビリティ・マネジメントの全容を学習します。
学修目標
1)SDGsの目的、特徴、構成そして17の目標のポイントを説明できる(第3章、4章、5章)。
2)サステナビリティ・マネジメントの必要性と利用可能なフレームワーク(第1章、2章)を理解し、ある程度活用することができる。
3)サステナビリティ・マネジメントのアプローチ(第6章、7章)の概略を理解し、サステナビリティを考慮したビジネスモデル、戦略の構想、設計に活用することができる。
授業計画
第1章:サステナビリティが求められる背景
はじめに
第1節:サステナビリティ
(1)サステナビリティ(持続可能性)
(2)サステナブル・ディベロプメント(持続可能な開発)
(3)SDGs(持続可能な開発目標)
(4)レジリエンス(強靭さ)
(5)「エスカルゴ・ダイアグラム」
第2節:「環境課題(1)気候変動」
(1)プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)
(2)人新世(アンソロポシーン)
(3)人口問題
(4)気候変動と対応策
第3節:「環境課題(2)生物多様性」と「社会課題」
(1)生物多様性
(2)人権問題と人権デューデリジェンス
第4節:サステナビリティ・マネジメントのコンセプト
(1)パーパス
(2)TBL、CSRとCSVの関係
(3)CSV(共通価値の創造)
(4)ESG(環境、社会、ガバナンス)
(5)ステークホルダー資本主義
おわりに
第2章:サステナビリティのためのビジネス・ソリューション
はじめに
第1節:ドーナツ・エコノミクス(ドーナツ経済学)
(1)ドーナツの基本要素
(2)ドーナツの中に留まるための5つの決定要因
(3)ドーナツ・エコノミクスの「7つの思考法」
第2節:サーキュラーエコノミー(循環経済)
(1)ハイパー消費: リニア・エコノミー
(2)3R: リデュース、リユース、リサイクル
(3)サーキュラーエコノミー: 「バタフライ・ダイアグラム」
(4)ケース: ファッション産業のサーキュラーエコノミー
第3節:ビジネスモデルの見える化とパターン
(1)ビジネスモデルに係る研究の系譜
(2)ビジネスモデルと(事業)戦略の関係
(3)ビジネスモデルの見える化
(4)ビジネスモデルのパターン
第4節:サステナブル・ビジネスモデルのパターン
(1)サステナブル・ビジネスモデル
(2)シェア(シェアリング・エコノミー)
(3)サービス(サービス・ドミナント・ロジック)
(4)サブスクリプション
(5)オープン(オープン・イノベーション)
(6)パーソナライゼーション
おわりに
第3章:「2030アジェンダ」とSDGsの概要と特徴
はじめに
第1節:「2030アジェンダ」とSDGsの概要
(1)「2030アジェンダ」とSDGsが描く未来
(2)国連文書「2030アジェンダ」とSDGs
(3)SDGsのアイコン
第2節:「2030アジェンダ」とSDGsの特徴
(1)「2030アジェンダ」の概要
(2)SDGsの「5つのP」
(3)SDGsの三階層
(4)SDGsのウェディングケーキ・ビュー
(5)SDGsの相互関係性
第3節:SDGsのターゲット・レベル
(1)SDGsターゲットのタイプと期限
(2)「SDGsターゲット-Map」
(3)SDGsターゲットとビジネス・アクションの関係
第4節:ビジネスが重視するSDGsとSDGsウォッシュ
(1)企業のステークホルダーとSDGs
(2)ビジネスが重視するSDGs
(3)中堅中小企業とSDGs
(4)SDGsウォッシュ
おわりに
第4章:SDGsの個別レビュー(1)SDG1~8
はじめに
第1節:人間(People)領域(1):SDG1~2
(1)SDG1:貧困をなくそう
(2)SDG2:飢餓をゼロに
第2節:人間(People)領域(2):SDG3~4
(1)SDG3:すべての人に健康と福祉を
(2)SDG4:質の高い教育をみんなに
第3節:人間(People)領域(3):SDG5~6
(1)SDG5:ジェンダー平等を実現しよう
(2)SDG6:安全な水とトイレを世界中に
第4節:豊かさ(Prosperity)領域(1):SDF7~8
(1)SDG7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
(2)SDG8:働きがいも経済成長も
おわりに
第5章:SDGsの個別レビュー(2)SDG9~17
はじめに
第1節:豊かさ(Prosperity)領域(2):SDG9~11
(1)SDG9:産業と技術革新の基盤をつくろう
(2)SDG10:人や国の不平等をなくそう
(3)SDG11:住み続けられるまちづくりを
第2節:地球(Planet)領域(1):SDG12~13
(1)SDG12:つくる責任つかう責任
(2)SDG13:気候変動に具体的な対策
第3節:地球(Planet)領域(2):SDG14~15
(1)SDG14:海の豊かさを守ろう
(2)SDG15:陸の豊かさも守ろう
第4節:平和(Peace)とパートナーシップ(Partnership)領域:SDG16~17
(1)SDG16:平和と公正をすべての人に
(2)SDG17:パートナーシップで目標を達成しよう
おわりに
第6章:サステナビリティ・マネジメント(1)戦略に組み込む
はじめに
第1節:グローバル・フレームワーク
(1)個人とビジネスのSDGs達成に向けたアプローチの違い
(2)「SDG Compass」
(3)「SDGインパクト基準」
第2節:「SDGコンパス」の活用
(1)戦略プロセスと「SDGコンパス」
(2)「バリューチェーン・マッピング」
(3)マテリアリティの特定
(4)ロジックモデルとKPI
(5)「SDGコンパス」の活用状況
第3節:戦略マップ/BSCの基本
(1)戦略マップ/BSC
(2)戦略マップ/BSCを活用した戦略マネジメント
(3)KPI(重要業績評価指標)
(4)カスケード(展開)
第4節:戦略マップの活用
(1)戦略マップ(CSV版)
(2)戦略マップ(CSV版)の例
おわりに
第7章:サステナビリティ・マネジメント(2)コミュニケーションと開示
はじめに
第1節:統合報告の概要
(1)統合報告フレームワーク開発の背景
(2)国際統合報告フレームワーク (I<IR>フレームワーク)の概要
(3)ビジネスモデル 「オクトパス・ダイアグラム」
(4)6つの資本
第2節:統合報告の実態
(1)参照ガイドライン
(2)日本の統合報告書 ベタープラクティス
(3)統合報告 ベタープラクティス事例(オムロン)
第3節:サステナビリティ関連情報開示の国際的動向
(1)サステナビリティ情報 関連組織の動き
(2)ISSB開示基準の構成と4つの柱
(3)ダブルマテリアリティ
第4節:SDGsに係る日本の課題と「ポストSDGs」
(1)サステナビリティ/SDGsに係る日本の課題
(2)ポストSDGs
おわりに
受講上の留意点
*<対面授業>を現地並びにオンラインにて実施する。対面授業は期末課題の出題範囲に含まれるため、参加できない場合には、後日ビデオを視聴することが求められる。
*再試験は実施しない。
成績評価基準
各章課題(35%)+期末課題(65%)
※但し各章の動画を全て視聴することを必須とする。未視聴の動画がある場合は、その章の課題については採点対象外とする。
必読書籍
・『サステナビリティ・SDGs経営』松原恭司郎、2022、同文舘出版
参考書籍
・『図解ポケット SDGsがよくわかる本』松原恭司郎、2019、秀和システム
・『ビジネスモデル・マッピング教本』松原恭司郎、2013、日刊工業新聞社
・『<新版>松原流:戦略マップ/BSCとOKRの連携教本』松原恭司郎、2018、日刊工業新聞社
その他
特にありません
対面授業
対面授業を実施します。受講申込の際は「対面授業スケジュール」にて日程をご確認ください。