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講義名 23秋 前期/ビジネスモデル思考
基準単位数 1
科目区分 戦略・マーケティング(コア)
必修・選択 選択
配当年次 1・2年次
学習期間 学習期間1/2学期

担当教員
氏名
◎ 松原 恭司郎

オフィスアワー eラーニングサイトおよびメールでの質疑応答を受け付けています。
(メールアドレスは大学院グループウェアのアドレス帳でご確認ください)
授業の概要 起業や社内ベンチャーのビジネスプランの策定。そして、ステークホルダーに向けた企業の統合報告でもビジネスモデル(BM)の重要性が高まっています。本授業では、
1)ビジネスモデルの定義、戦略との関係、講師が提唱する「ビジネスモデル・マッピング法」、ビジネスモデルのパターン、イノベーティブなビジネスモデルの創出法など、ビジネスモデル・マネジメントの全容を学習します。
2)また「IoT(モノのインターネット)」の活用や、「モノからコトへ」に象徴されるサービス・ドミナント・ロジックを取込んだビジネスモデル・イノベーションも取り上げます。
学習目標 1)ビジネスモデルと事業戦略との関係を説明できる。
2)ビジネスモデル・マッピング法を理解し、ビジネスモデルの分析、構想、設計にある程度活用することができる。
3)代表的なビジネスモデルのパターンを理解し、ビジネスモデルの改良・革新に当たり参照することができる。
4)重要テーマであるIoT、サービス・ドミナント・ロジック、ビジネス・エコシステムなどの概略を理解し、イノベーティブなビジネスモデルの構想に応用することができる。
授業計画 第1章: オリエンテーション「ビジネスモデル思考」を持とう!~ビジネスモデルの見える化からIoTによる革新まで
本授業「ビジネスモデル思考」のプレビューとして次のテーマを取り上げて考察する。
<テーマ1>ビジネスモデルと事業戦略とは同じか、異なるのか、そして関係は
<テーマ2>「百聞は一見に如かず」:ビジネスモデルの構造をフレームワーク化することで見えてくるものとは
<テーマ3>水平思考が革新的ビジネスモデルの構想に役立つ
<テーマ4>「IoT(モノのインターネット)」でビジネスモデルが変わる、そして革新的なビジネスモデルがIoTを活かす
第1節:ビジネスモデル思考
第2節:ビジネスモデル思考 ハイライト
第3節:進め方と講師の関連著作

第2章: ビジネスモデルの定義と見える化~ビジネスモデルの定義、戦略との関係、見える化技法の概説
第1節:ビジネスモデルの定義
 *ビジネスモデル~「モデル」には二つの意味がある
 *ビジネスモデル研究の充実
 *国際統合報告評議会(IIRC)によるビジネスモデルの定義を紐解く
第2節:ビジネスモデルと戦略の関係
 *戦略プロセスは策定(形成)と実行に分けられる
 *戦略論の系譜をたどる
 *ビジネスモデルと戦略の関係を考える
第3節:代表的な見える化技法の紹介
 *「百聞は一見に如かず」 ・・見える化のフレームワークを活用しよう
 *戦略を見える化するフレームワーク
 *ビジネスモデルを見える化するフレームワーク
 *主なフレームワークに共通するポイント

第3章: ビジネスモデル・マッピング法を使ったビジネスモデルの見える化~BM-Tree、BM-Map他フレームワーク
第1節:ビジネスモデル・マッピングの概要
 *ビジネスモデル・マッピングのフレームワークの特徴
 *BM-Treeで、ビジネスモデルの過去・現在・将来を俯瞰する
 *BM-Mapで、ビジネスモデルの構造を掴む
 *BM-DBで、ビジネスモデルの性能をモニタリングする
第2節:「BM-Map」でビジネスモデルの構造を掴む
 *BM-Mapの構造とテンプレート(汎用版)
 *ターゲット顧客と顧客価値提案のテンプレート
 *事業価値のテンプレート
 *バリューチェーンのテンプレート
 *経営資源のテンプレート
第3節:【ケーススタディ】 アマゾン・ジャパン
 *アマゾンの「BM-Tree(ヒストリー版)」を作成する
 *アマゾン・ジャパン 書籍販売(除く電子書籍)の「BM-Map」を作成する

第4章: ビジネスモデルの各種パターンとロジスチックス革新のビジネスモデルパターン~代表的なビジネスモデル・パターンとSPAの特徴
第1節:ビジネスモデルの代表的なパターンの概要
 *革新の第一歩は、「まねる」こと「関連付ける」ことから始まる。~優れたビジネスモデル・パターンを学び、引き出しを増やそう!
 *ビジネスモデルの古典~スライウォツキーの23種のパターンを押さえよう!
第2節:バリューチェーン革新を支えるビジネスモデル・パターン
 *バリューチェーンの革新に活用できるビジネスモデル・パターン
 *「オープン・ビジネスモデル」で経営のスピードをあげる
 *「マス・カスタマイゼーション」で、個別の顧客要求に効率的に対応する
第3節:SPA(製造小売業)のビジネスモデル・パターン
 *デフレに強いSPA(製造小売業)
 *ユニクロはファストファッションかスローファッションか?

第5章:ICT(情報通信技術)が加速するビジネスモデルパターン~フリー、ロングテール、シェア等の特徴とケース
第1節:ICTが加速するビジネスモデル・パターン & フリー
 *ICTが加速するビジネスモデル・パターン~ビットを管理する「デジタル・ビジネスデザイン」
 *確かにフリーなら、顧客価値は高まるだろう。だが、企業価値/株主価値はどうなるのだろうか。つまりどうやって儲けるのか?
第2節:ロングテール & シェア
 *デジタル化で「ロングテール」が宝の山になる ~多くのニッチ・コンテンツを多くのニッチ顧客へ提供
 *「シェア」で資源を有効活用する~共同所有により、低コストで所有者としての恩恵を
第3節:マルチサイド・プラットフォーム & リアルビジネスとビジネスモデル・パターン
 *「マルチサイド・プラットフォーム」~複数の顧客セグメントに出会いの場を提供
 *リアル事業は複数のビジネスモデル・パターンを活用しているケースも多い

第6章: IoTを活用してイノベーティブなビジネスモデルを創造する~IoT概説、ビジネス・エコシステム、価値星座
第1節:IoTとは何か
 *IoT関連の重要概念と用語を押さえておこう。
 *第4次産業革命のコア概念である「サイバー・フィジカル・システム(CPS)」を理解しよう。
 *「接続機能を持つスマート製品(SCP)」で、個別の製品から「システムのシステム」への「つながり」の拡大を理解しよう。
第2節:IoTを活用したビジネスモデル・イノベーション
 *IoTのアプリケーション領域は広範囲に渡り、プロセスに加えてアウトプットに革新をもたらす。
 *IoTビジネスを成功に導く三つのキーコンセプトを押さえる。
 *IoTが加速するビジネスモデル・パターンについて考える。
第3節:ビジネス・エコシステムと価値星座
 *ビジネス・エコシステムまで視野を広げよう。~(Wide Lensを持とう)
 *価値星座(Value Constellation)を理解する。
第4節:IoTのビジネスモデルマッピング~「価値星座-Map」と「BM-Map(IoT版)」
 *IoTのビジネスモデル・マッピングには、「価値星座-Map」を活用する。
 *「価値星座-Map」の作成ステップとは。

第7章: ビジネスモデルのイノベーションに有効な考え方と技法~ベンチマーク、水平思考、サービス・ドミナント・ロジック
第1節:ビジネスモデルのイノベーションに有効な考え方と技法
 *ビジネスモデル・イノベーションが必要となるわけとは。
 *「成長ギャップ」をビジネスモデル・イノベーションで埋める。
 *ビジネスモデル・イノベーションに有効な考え方と技法には何があるか。
第2節:「消費チーン」~顧客の消費活動に注目する
 *顧客の「消費チェーン」を分析して、顧客との接点を広げよう。
第3節:水平思考~ある構成要素を変えてみる
 *水平思考とは、どのような思考法か?
 *水平思考を活用したマーケティングのイノベーションとは?
 *水平思考を活用して、ビジネスモデルのイノベーションを構想しよう。
第4節:サービス・ドミナント・ロジック~「モノからコトへ」
 *キーコンセプトとしての「サービス・ドミナント・ロジック」とは何か。
 *「ハイブリッド・ソリューション」のビジネスモデル・パターンを理解する。
 *ゼロックスによるビジネスモデル・イノベーションをマッピングする。
受講上の留意点 *<対面授業>を実施する。
ビジネスモデルの最新動向についても取り上げる。期末レポートの対象範囲に含めるので、対面授業に参加できない場合には、後日ビデオを視聴することが求められます。
*再試験は実施しません。
成績評価基準 各章課題(35%)+期末レポート評価(65%)
※但し各章の動画を全て視聴することを必須とする。未視聴の動画がある場合は、その章の課題については採点対象外とする。
必読書籍 ・『ビジネスモデル・マッピング教本』松原恭司郎、2013、日刊工業新聞社
参考書籍 <ビジネスモデル関連>
・『ビジネスモデル・マッピング・ケースブック』松原恭司郎編著、2014、日刊工業新聞社
・『IoTを活かすビジネスモデルの見える化と勘所』松原恭司郎、2017、Amazon Kindle
・『<新版>松原流:戦略マップ/BSCとOKRの連携教本』松原恭司郎、2018、日刊工業新聞社
・『ザ・プロフィット』エイドリアン・スライウォツキー、2002、ダイヤモンド社
・『ビジネスモデル・ナビゲーター』-オリヴァー・ガスマン、2016、-翔泳社
・『インビンシブル・カンパニー』-アレックス・オスターワルダー、2021、ー翔泳社

<サステナビリティ、SDGs関連>
・『サステナビリティ・SDGs経営』松原恭司郎、2022、同文舘出版
・『図解ポケットSDGsがよくわかる本』 松原恭司郎、2019、秀和システム
・「環境と社会×デジタルが可能にするサステナブルなビジネスへのトランスフォーメーション」松原恭司郎、SBI大学院大学紀要第9号、2021、SBI大学院大学

その他の参考資料は、授業の中で随時紹介します。
その他 特にありません。
対面授業
対面授業を実施します。受講申込の際は「対面授業スケジュール」にて日程をご確認ください。