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講義名 24秋 前期/ビジネスモデル思考
基準単位数 1
科目区分 戦略・マーケティング(コア)
必修・選択 選択
配当年次 1・2年次
学修期間 学修期間1/2学期

担当教員
氏名
◎ 松原 恭司郎

オフィスアワー eラーニングサイトおよびメールでの質疑応答を受け付けています。
(メールアドレスは大学院グループウェアのアドレス帳でご確認ください)
授業の概要 起業や社内ベンチャーのビジネスプランの策定。そして、ステークホルダーに向けた企業の統合報告でもビジネスモデル(BM)の重要性が高まっています。本授業では、
1)ビジネスモデルの定義、戦略との関係、講師が提唱する「ビジネスモデル・マッピング法」、ビジネスモデルのパターン、イノベーティブなビジネスモデルの創出法など、ビジネスモデル・マネジメントの全容を学修します。
2)また「IoT(モノのインターネット)」の活用や、「モノからコトへ」に象徴されるサービス・ドミナント・ロジックを取込んだビジネスモデル・イノベーションも取り上げます。
学修目標 1)ビジネスモデルと事業戦略との関係を説明できる。
2)ビジネスモデル・マッピング法を理解し、ビジネスモデルの分析、構想、設計にある程度活用することができる。
3)代表的なビジネスモデルのパターンを理解し、ビジネスモデルの改良・革新に当たり参照することができる。
4)重要テーマであるIoT、サービス・ドミナント・ロジック、ビジネス・エコシステムなどの概略を理解し、イノベーティブなビジネスモデルの構想に応用することができる。
授業計画(各章)
第1回
タイトル
第1章 オリエンテーション「ビジネスモデル思考」を持とう!~ビジネスモデルの見える化からIoTによる革新まで
内容
本授業「ビジネスモデル思考」のプレビューとして次のテーマを取り上げて考察する。
<テーマ1>ビジネスモデルと事業戦略とは同じか、異なるのか、そして関係は
<テーマ2>「百聞は一見に如かず」:ビジネスモデルの構造をフレームワーク化することで見えてくるものとは
<テーマ3>水平思考が革新的ビジネスモデルの構想に役立つ
<テーマ4>「IoT(モノのインターネット)」でビジネスモデルが変わる、そして革新的なビジネスモデルがIoTを活かす
第1節:ビジネスモデル思考
第2節:ビジネスモデル思考 ハイライト
第3節:進め方と講師の関連著作
第2回
タイトル
第2章 ビジネスモデルの定義と見える化~ビジネスモデルの定義、戦略との関係、見える化技法の概説
内容
第1節:ビジネスモデルの定義
 *ビジネスモデル~「モデル」には二つの意味がある
 *ビジネスモデル研究の充実
 *国際統合報告評議会(IIRC)によるビジネスモデルの定義を紐解く
第2節:ビジネスモデルと戦略の関係
 *戦略プロセスは策定(形成)と実行に分けられる
 *戦略論の系譜をたどる
 *ビジネスモデルと戦略の関係を考える
第3節:代表的な見える化技法の紹介
 *「百聞は一見に如かず」 ・・見える化のフレームワークを活用しよう
 *戦略を見える化するフレームワーク
 *ビジネスモデルを見える化するフレームワーク
 *主なフレームワークに共通するポイント
第3回
タイトル
第3章 ビジネスモデル・マッピング法を使ったビジネスモデルの見える化~BM-Tree、BM-Map他フレームワーク
内容
第1節:ビジネスモデル・マッピングの概要
 *ビジネスモデル・マッピングのフレームワークの特徴
 *BM-Treeで、ビジネスモデルの過去・現在・将来を俯瞰する
 *BM-Mapで、ビジネスモデルの構造を掴む
 *BM-DBで、ビジネスモデルの性能をモニタリングする
第2節:「BM-Map」でビジネスモデルの構造を掴む
 *BM-Mapの構造とテンプレート(汎用版)
 *ターゲット顧客と顧客価値提案のテンプレート
 *事業価値のテンプレート
 *バリューチェーンのテンプレート
 *経営資源のテンプレート
第3節:【ケーススタディ】 アマゾン・ジャパン
 *アマゾンの「BM-Tree(ヒストリー版)」を作成する
 *アマゾン・ジャパン 書籍販売(除く電子書籍)の「BM-Map」を作成する
第4回
タイトル
第4章 ビジネスモデルの各種パターンとロジスチックス革新のビジネスモデルパターン~代表的なビジネスモデル・パターンとSPAの特徴
内容
第1節:ビジネスモデルの代表的なパターンの概要
 *革新の第一歩は、「まねる」こと「関連付ける」ことから始まる。~優れたビジネスモデル・パターンを学び、引き出しを増やそう!
 *ビジネスモデルの古典~スライウォツキーの23種のパターンを押さえよう!
第2節:バリューチェーン革新を支えるビジネスモデル・パターン
 *バリューチェーンの革新に活用できるビジネスモデル・パターン
 *「オープン・ビジネスモデル」で経営のスピードをあげる
 *「マス・カスタマイゼーション」で、個別の顧客要求に効率的に対応する
第3節:SPA(製造小売業)のビジネスモデル・パターン
 *デフレに強いSPA(製造小売業)
 *ユニクロはファストファッションかスローファッションか?
第5回
タイトル
第5章 ICT(情報通信技術)が加速するビジネスモデルパターン~フリー、ロングテール、シェア等の特徴とケース
内容
第1節:ICTが加速するビジネスモデル・パターン & フリー
 *ICTが加速するビジネスモデル・パターン~ビットを管理する「デジタル・ビジネスデザイン」
 *確かにフリーなら、顧客価値は高まるだろう。だが、企業価値/株主価値はどうなるのだろうか。つまりどうやって儲けるのか?
第2節:ロングテール & シェア
 *デジタル化で「ロングテール」が宝の山になる ~多くのニッチ・コンテンツを多くのニッチ顧客へ提供
 *「シェア」で資源を有効活用する~共同所有により、低コストで所有者としての恩恵を
第3節:マルチサイド・プラットフォーム & リアルビジネスとビジネスモデル・パターン
 *「マルチサイド・プラットフォーム」~複数の顧客セグメントに出会いの場を提供
 *リアル事業は複数のビジネスモデル・パターンを活用しているケースも多い
第6回
タイトル
第6章 IoTを活用してイノベーティブなビジネスモデルを創造する~IoT概説、ビジネス・エコシステム、価値星座
内容
第1節:IoTとは何か
 *IoT関連の重要概念と用語を押さえておこう。
 *第4次産業革命のコア概念である「サイバー・フィジカル・システム(CPS)」を理解しよう。
 *「接続機能を持つスマート製品(SCP)」で、個別の製品から「システムのシステム」への「つながり」の拡大を理解しよう。
第2節:IoTを活用したビジネスモデル・イノベーション
 *IoTのアプリケーション領域は広範囲に渡り、プロセスに加えてアウトプットに革新をもたらす。
 *IoTビジネスを成功に導く三つのキーコンセプトを押さえる。
 *IoTが加速するビジネスモデル・パターンについて考える。
第3節:ビジネス・エコシステムと価値星座
 *ビジネス・エコシステムまで視野を広げよう。~(Wide Lensを持とう)
 *価値星座(Value Constellation)を理解する。
第4節:IoTのビジネスモデルマッピング~「価値星座-Map」と「BM-Map(IoT版)」
 *IoTのビジネスモデル・マッピングには、「価値星座-Map」を活用する。
 *「価値星座-Map」の作成ステップとは。
第7回
タイトル
第7章 ビジネスモデルのイノベーションに有効な考え方と技法~ベンチマーク、水平思考、サービス・ドミナント・ロジック
内容
第1節:ビジネスモデルのイノベーションに有効な考え方と技法
 *ビジネスモデル・イノベーションが必要となるわけとは。
 *「成長ギャップ」をビジネスモデル・イノベーションで埋める。
 *ビジネスモデル・イノベーションに有効な考え方と技法には何があるか。
第2節:「消費チーン」~顧客の消費活動に注目する
 *顧客の「消費チェーン」を分析して、顧客との接点を広げよう。
第3節:水平思考~ある構成要素を変えてみる
 *水平思考とは、どのような思考法か?
 *水平思考を活用したマーケティングのイノベーションとは?
 *水平思考を活用して、ビジネスモデルのイノベーションを構想しよう。
第4節:サービス・ドミナント・ロジック~「モノからコトへ」
 *キーコンセプトとしての「サービス・ドミナント・ロジック」とは何か。
 *「ハイブリッド・ソリューション」のビジネスモデル・パターンを理解する。
 *ゼロックスによるビジネスモデル・イノベーションをマッピングする。
受講上の留意点 *再試験は実施しません。
成績評価基準 各章課題(35%)+期末レポート評価(65%)
※但し各章の動画を全て視聴することを必須とする。未視聴の動画がある場合は、その章の課題については採点対象外とする。
必読書籍 ・『ビジネスモデル・マッピング教本』松原恭司郎、2013、日刊工業新聞社
参考書籍 <ビジネスモデル関連>
・『ビジネスモデル・マッピング・ケースブック』松原恭司郎編著、2014、日刊工業新聞社
・『IoTを活かすビジネスモデルの見える化と勘所』松原恭司郎、2017、Amazon Kindle
・『<新版>松原流:戦略マップ/BSCとOKRの連携教本』松原恭司郎、2018、日刊工業新聞社
・『ザ・プロフィット』エイドリアン・スライウォツキー、2002、ダイヤモンド社
・『ビジネスモデル・ナビゲーター』-オリヴァー・ガスマン、2016、-翔泳社
・『インビンシブル・カンパニー』-アレックス・オスターワルダー、2021、ー翔泳社

<サステナビリティ、SDGs関連>
・『サステナビリティ・SDGs経営』松原恭司郎、2022、同文舘出版
・『図解ポケットSDGsがよくわかる本』 松原恭司郎、2019、秀和システム
・「環境と社会×デジタルが可能にするサステナブルなビジネスへのトランスフォーメーション」松原恭司郎、SBI大学院大学紀要第9号、2021、SBI大学院大学

その他の参考資料は、授業の中で随時紹介します。
その他 特にありません。
事前学修・発展学修 事前学修
・シラバスに示した必読書籍の関連個所や関連情報の把握に努めた上で、eラーニングを受講してください。
・各章の小テストは、重要ポイントや誤解し易い箇所に対応しています。動画を視聴する前に、小テストに目を通しておくことを勧めます。

発展学修
・各章の小テストの採点結果及び、提出期限後に講師から示される受講生全体の設問ごとの正答率と全体の講評を参照して、講義内容の理解度を再確認し、必要に応じて復習をするよう心掛けてください。
・各章で学んだ内容は、各自の職場環境に置き換えるとどのような意味をもち、どのように適用・実践できるのか、考察して下さい。
対面授業
対面授業は実施しません。